『理系の子 高校生科学オリンピックの青春』巻末特別対談:成毛眞×田中里桜 科学の研究って役に立つの?

成毛 なるほどね。とはいえ、一方で純粋科学をやっている研究者もいるじゃないですか。宇宙論をやっている人たちとか。そういう人を何人か知っているんだけど、彼らの研究はあまりに純粋すぎて、社会の役に立つどころか人類の役に立つんだろうかと思うことがある(笑)。

田中 私のやっている研究もそういう性質のものなんです。ISEFに出るときに一番困ったのが、「千葉県の地質」というのはすごいローカルな話題だったので、どういうふうに世界に持っていこうか、ということでした。

成毛 あ、そうか。そういう意味でも純粋科学に近い。他者から見たら、「おれには関係ない」、みたいに見えなくもない(笑)。

田中 でも、ISEFでは応用的な内容じゃなくて基礎科学的な内容を学生がやっている、ということにむしろ評価をいただいた感じが強いですね。
『理系の子 高校生科学オリンピックの青春』 (ジュディ・ダットン 著/横山啓明 訳)

成毛 そうでしょうね。この『理系の子』を読んでいても、それぞれにいろんなアプローチがあります。廃品から温水器をつくり出す創意工夫型みたいな人もいれば、いろんなタイプの人たちがいて、その意味ではバラバラ。発表する側も、採点する側の先生たちも、バラッバラな人たちが集まっている一方で、この本のタイトルどおり、みんな「理系」ですよね。論理的にものを考えることができる。「論理的にものを考える力」というのは、研究する上で重要ですか。

田中 そうだと思います。そして学生が科学研究をすることで、自分で問題を見つけて解決する力が、すごく鍛えられると思います。

成毛 「問題を見つける」ことと、それを「解決すること」では、比率でいうと、それぞれどのくらい重要ですか。

田中 一連のことなので、どちらがどう大事っていう感じではないと思うのですが、そうですね、やっぱり問題を見つけて解決するためには、柔軟な思考とか、いろんな側面からものごとを見る、多角的な視点を持つことが、すごく必要になってくると思うので、そっちがより重要かなと思います。

理系と文系はつながっている

成毛 数学はできたんですか。

田中 いやぁ、できなかったです(笑)。

成毛 だった?

田中 ちなみに数学は一番苦手です。

成毛 あらまあ。