『慟哭の海峡』大正生まれの男たち

ところで、太平洋戦争とは大正生まれの男たちの戦争でもある。本書によると大正生まれの男子の総数1348万人のうち200万人以上が戦死したという。大正生まれの男の7人にひとりが戦死したのだ。ひとつの世代がこれだけの規模の数で失われたのである。この戦争が日本社会を変容させたことは間違いないだろう。

今まで語られることのなかった大正の男たちの悲劇的な死にざまと、生き残った者たちの声を歴史という堆積物に埋もれさせてはいけないだろう。多くの人が、本書を開き彼らの慟哭に耳を傾けて欲しい、そう思わずにはいられない。

慟哭の海峡

作者:門田 隆将
出版社:KADOKAWA/角川書店

内容紹介
“輸送船の墓場”と称され、10万を超える日本兵が犠牲になったとされる台湾とフィリピンの間の「バシー海峡」。アンパンマンの作者である、やなせたかしの弟もその一人だ。その“魔の海峡”から12日間の漂流を経て奇跡の生還を遂げた若者がいた。彼は死んだ戦友の鎮魂のために戦後の人生を捧げ、海峡が見える丘に長い歳月の末に、ある寺院を建てた。2013年10月、やなせたかしとその人物は、奇しくもほぼ同時期に息を引き取った。「生」と「死」の狭間で揺れ、自己犠牲を貫いた大正生まれの男たち。今、明かされる運命の物語とは―。

『ノンフィクションはこれを読め! 2014』HONZが選んだ100冊
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
内容紹介:キルギスの誘拐婚から現代宇宙論まで、嫌われる勇気からヤクザなキリスト教史まで、世界の"今"を紐解く、ブックガイド!ノンフィクション書評サイトHONZ厳選の100冊。

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