使えるようになった「新薬」もうすぐ使える「新薬」一覧 
あきらめるな、医学は日々進歩する がん 脳卒中 糖尿病 花粉症 ほか 

週刊現代 プロフィール
※〈状況〉★…’14年に使えるようになった薬、○…’12~’13年に使えるようになった薬、●…近々承認が期待されている薬

今年の「ピカ新」の目玉となった糖尿病治療薬・イプラグリフロジンとは、いったいどんな薬なのか。東京健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科医長の千葉優子氏が解説する。

「従来の糖尿病薬とはまったく違う働きをする薬です。インシュリンの分泌を調整するのではなく、腎臓の尿細管に働いて、糖とナトリウムの再吸収を阻害する。余計な糖分を尿に排出して血糖値を下げるのです。このため、体重の増加も抑えられます。利尿作用もあるため、血圧を下げる効果もあります」

リスクをどう考えるか

これまでにない恩恵を受けられるのなら、なんとしても新薬に頼りたい—そう思うのが患者の人情だろう。ただ、新薬は新しいからこそリスクもある。患者に投与した実績が少ないため、思いがけない重篤な副作用が出る場合があるのだ。

「イプラグリフロジンをはじめとした『SGLT2阻害薬』と呼ばれる薬の場合、利尿作用が高いため、脱水による脳梗塞のリスクが高まります。高齢者の場合はとくに気をつけなければなりません」(千葉氏)

実際、今年の9月半ばまでにSGLT2阻害薬を服用した患者で5人の死亡例が報告された。また、前立腺がんの治療薬として今年9月から発売されているカバジタキセルでも、投与された約200人の患者のうち、5人が死亡している。

このリスクをどう考えるか。新薬のように効果が高い薬ほど強い副作用が出る傾向にあり、使い方を誤れば命を落とす恐れもある。一方、新薬の投与によって5人が死亡したことは事実だが、残りの195人はこの薬の恩恵を受けているというのもまた事実。死亡の可能性があるのなら、効果は低くても安全を取りたいという人もいれば、病と闘わずに死ぬくらいなら2・5%のリスクを取ってでも、新薬にすがりたいと考える人もいるはずだ。