使えるようになった「新薬」もうすぐ使える「新薬」一覧 
あきらめるな、医学は日々進歩する がん 脳卒中 糖尿病 花粉症 ほか 

週刊現代 プロフィール

臨床研究としてこの治療法を行ってきた永倉氏は、この薬の効果を実感しているという。永倉氏が診ていた中学1年生の女の子は、'11年12月からこの薬の服用を開始し、年明けの花粉シーズンから、目のかゆみが少なくなるなど症状が改善された。その後も治療を続けると、'13年のシーズンには花粉の飛散量が多かったにもかかわらず、鼻水もほとんど出なくなったのだ。

「私が診た患者さんのうち、2年継続した方の約9割に効果が見られました。そのうち1割の方は、花粉シーズンのピーク時でも症状がほとんど出ないほど改善したのです」(永倉氏)

毎日欠かさず薬を服用しなければならないが、これまで毎年花粉に苦しめられていた人にとっては夢のような薬と言えるだろう。

岐阜薬科大学客員教授で薬剤師・博士(薬学)の近藤剛弘氏が言う。

「薬がどのように作用して病気に効くのか、その仕組みが徐々に明らかになってきて、これまで治すことのできなかった病気を根本的に治せる新薬も出てきました。その象徴的なものが、シダトレンでしょう。花粉症だけでなく、さまざまな病気に対して、より良い新薬が開発されています」

現在でも日本人の死因の第3位となっている脳卒中。毎年、約13万人もの人が命を落としている。この脳卒中を予防するために、画期的な新薬が登場した。

エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバン—「新規経口抗凝固薬」と呼ばれる血液を固まりにくくする薬だ。不整脈の一種である心房細動の患者は、心臓で血栓ができやすく、それが脳に流れて脳梗塞を起こしやすいのだが、それを防ぐために使われる。

「脳梗塞の予防には、ワーファリンという薬が古くから用いられていますが、処方するには月に1度の血液検査が必須で、検査結果によって薬の量を調整しなければならない。ビタミンKを含む納豆などを食べてはいけないという食事の制約もある。その点これらの新薬は、血液検査も食事制限も必要なく、飲む量は1日1~2回と決まっていて使いやすい。とくにリバーロキサバンやアピキサバンは、脳出血を起こしにくいというデータが出ています。従来の薬の欠点がすべてカバーされているのです」(前出・矢崎氏)

画期的な「ピカ新」とは

脳卒中や心臓病の引き金にもなる糖尿病。生活習慣によって引き起こされる病にも、新薬はある。「ピカ新」と呼ばれ、注目を集めたイプラグリフロジンだ。今年4月に保険適用となった。

「『ピカ新』とは、従来の薬とは構造も作用も異なり、まったく新しい治療効果を持つ『ピカピカの新薬』のことです。それを生み出すのは非常に難しいことですが、需要もあり利益も大きいので、多くの製薬会社がピカ新の開発を狙っているのです」(サイエンスライター・佐藤健太郎氏)