「平均寿命までに半数の人が死ぬ」──○か×か? ほか全8問!

直感ほどアテにならないものはない
週刊現代 プロフィール

(1400万+600万)÷2=1000万円

低所得者の平均は同様に計算して250万円だ。

これが不景気になり、全員の所得が2割減ってしまったとする。600万円だった人は480万円になり中所得者層以上から低所得者層のカテゴリーに移る。

その結果、中所得者以上は1人になるので、平均は1400万円の2割減の1120万円。一方、低所得者3人の平均は、

(600万+300万+200万)×0・8÷3=293・3万円

なんと、全員の所得が2割失われたにもかかわらず、中所得者層以上も低所得者層も平均所得が上昇する。神永教授が解説する。

「この例は極端に少ない人数になっていますが、それぞれのカテゴリの平均所得が上昇すると同時に、貧しい人の割合が増えるという状態は、不景気が深刻化する局面で起きやすい。集団全体の性質と、集団を分けたときの性質が異なる、ということです」

(7)「同じ誕生日」は珍しい?

偶然、誰かと誕生日が同じだと運命を感じないだろうか。珍しいことだと直感的に捉えているからだ。

しかし、実はこれは間違いである。1年を365日として考えてみよう。まず、すべての人の誕生日が異なる確率を考える。2人の場合、1人目の誕生日に対して、それと異なる2人目の誕生日は364通り考えられる。つまり、2人の誕生日が異なる確率は、365分の364。3人のときは先ほどの2人と異なればいいので、365分の364×365分の363だ。このようにしていけば、何人でも計算できる。

そして、少なくとも2人の誕生日が一致するのは「すべての人の誕生日が異なる」の反対だから、100%からこの確率を引けばいい。細かい計算は省くが、計算してみると、40人集まれば89・1%の確率で誕生日が同じ人がいる。50人の集団なら97%にも達する。

神永教授が言う。

「直感的には珍しいことだと感じられるのに、じつはかなり高い確率で起こる現象はバースデー・パラドックスと呼ばれています。

自分と同じ誕生日の人がいる確率は、たしかに小さい。ところが、ここで問題になっているのは『どの誕生日でもいいから、同じ誕生日のペアがいる確率』です。そもそも前提が異なっているんです」