「平均寿命までに半数の人が死ぬ」──○か×か? ほか全8問!

直感ほどアテにならないものはない
週刊現代 プロフィール

遠藤さんが不安にかられるのも当然だ。90%という数字には誰でも愕然とすることだろう。だが、本当にがんの可能性が高いことを意味しているのだろうか。

がんである確率を計算するために、次のような実際のデータを利用する。

〈1〉検診を受ける人の1000人に1人は実際にがんにかかっている。

〈2〉がんの人が要精密検査となる確率は約90%である。

〈3〉がんではないのに、陽性反応が出て精密検査に回される可能性は約10%である。

まず〈1〉は、がんにかかっている人は0・1%であることを示している。つまり、残りの99・9%の人はがんではない。〈2〉を正確に言うと、「実際にがんにかかっている人が1次検査の結果、要精密検査となる確率は90%」である。

これらを整理すると、実際にがんであって、かつ陽性反応が出る確率は、0・1%×90%=0・09%。そして、実際はがんではないが陽性反応が出てしまう人は、99・9%×10%=9・99%となる。陽性反応が出る確率はこの2つを合計したものなので、10・08%。このうち、がんにかかっている確率は、0・09÷10・08=0・0089となり、約0・9%。

遠藤さんが、がんである確率は実のところ、1%にも満たないのである。問いの答えは「×」だ。

「私たちは、90%といったインパクトのある数字をみると、本来は稀なことでも過大評価しやすい。本質を見誤らないよう、冷静さが必要です」(神永教授)

平均所得の「ワナ」

(6)平均所得が上がっているから、日本の景気は回復している?

〈年収500万円以上、500万円以下の、どちらの階層でも平均所得が上がっている〉—こんなデータを示されたら、景気が回復しているように思える。当たっているのだろうか。

上の図のように、所得が1400万円、600万円、300万円、200万円の4人を、中所得者層以上と低所得者層に分けて考えてみる。境界線は年収500万円とする。この場合、中所得者以上の平均所得は、