第6回ゲスト:大沢在昌さん (後編)
「『生島治郎の後を継いで、日本にハードボイルドを根付かせるのはおれだ!』と本気で思っていました」

島地 勝彦 プロフィール

シマジの後には死屍累々。大切なのは適度な距離感である

大沢 生島さんは酒を一滴も飲まない人でしたが、一度だけ「深夜プラス1」にお連れしたことがあります。店に入るなり陳さんが、「生島さん、ぼく、もう疲れました」。それを聞いた生島さんは、「ダメだよ陳ちゃん。もう返品はきかないからね!」って。

島地 喜美子さんは本物の女傑だったから、一緒にいる男は大変だったでしょうね。生島さんは晩年、金銭的には苦労したようだけど、大沢は葬儀委員長まで務めた。あれは偉いと思いました、ほんとうに。

大沢 『片翼だけの天使』のモチーフにもなった2番目の奥さんとの間にいろいろあって、財産はほとんど残っていなかったんです。そこで、ぼくが葬儀委員長になって新聞に告知して、大勢の人に集まってもらいました。最後は、ぼくが中学生のときに出した例のファンレターを棺に入れて送り出しました。

日野 いい話ですね。生島先生に書いたファンレターから始まり、大沢先生はいろんな人と出会って来られた。そのなかに、運悪くシマジさんもいた、と。

大沢 シマジさんとのつき合いは滅茶苦茶だけど、残念ながらおもしろい。でも距離感を間違えると、振り回されるだけになるから、そこは意識したほうがいいですよ。フォローがぜんぜんないんで、シマジさんのまわりには信者になった人の死屍累々。ぼくや北方さんは、適切な距離感に気づいたからここまでやってこれたんです。日野くんも気を付けたほうがいいよ。

日野 死屍累々ですか・・・。そこに巻き込まれないように気を付けます。

大沢 そうだ、シマジさんが苦手なもの知ってますか?

日野 たしか、犬、ですよね。

大沢 その原因がまたシマジさんらしいというか、胡散臭いというか・・・。