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家庭菜園で海外原産の野菜が立派に育つ「土」を科学的に作る!

『「育つ土」を作る家庭菜園の科学』

家庭菜園・原産地の土壌や気候条件

日本国内で栽培されている野菜類の原産地はその多くが海外です。ジャガイモやトマトは南米アンデス、トウモロコシやサツマイモは中米、タマネギやキャベツは地中海沿岸、キュウリやナスは南アジア等が原産地です。

原産地では人の手を加えなくても野菜類は育ちますが、土壌や気候条件が異なる地域では人の手を加えないと、ほとんどの野菜類は育ちません。

野菜類を原産地以外で栽培するために、播種の時期や方法、耕耘の深さや粒径、肥料の種類や施用量、有機物の種類や施用方法、畝の高さや方向、移植や定植の時期と方法、整枝や摘心、採種や種芋の保存方法、地域適応性を高める育種など等、様々な栽培技術を開発してきました。

具体的には、気温に連動する山の雪解けや桜の開花、イチョウの黄化や渡り鳥の飛来など自然暦によって、田植えやイモの伏せ込みなど農作物の播種や定植、収穫の時期など、原産地の気温条件(適期)に合わせて栽培することで解決してきました。

また、降水量に左右される水分は鋤床層の形成や灌水することで解決してきました。

しかし、土を野菜類の原産地の条件に合わせることはきわめて困難です。

単一作物を栽培するプロの農家なら栽培する作物に合わせた土づくりは可能ですが、家庭菜園は多品目の野菜類を栽培するため、多くの野菜類に合った土づくりが必要になります。

肥沃な土を好むホウレンソウやハクサイ、瘦せた土でも栽培可能なサツマイモやエダマメなどがあります。同じ土づくりを行うと、一方は栄養不足で生育不良となり、他方は栄養過多で蔓ボケなどになります。また、深根のゴボウやスイカと浅根のキュウリやトマトでは耕し方が異なります。

では、すべての野菜類に合った土づくりは不可能かといえば、そうではなく、ある程度の共通した土づくりは行えます。