大西洋 第4回
「シマジさん、暖かくなったら二人で藤巻の墓参りに行きましょう」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ 墓参りというのは落ち着きますね。シングルモルトを水で割ってスキットルに入れて持って行き、墓にかけたり飲んだりして、葉巻を一服していると、若いころの先輩たちとの素敵な思い出が蘇ってくるんですよ。

若いころといえば、先日NHKの番組で六本木のイタリアレストラン「キャンティ」の歴史をやっていて、若いころのタッチャンの写真をみて驚愕したんだ。いまの2分の1くらいに痩せていて、顔はいかにもモテそうなイケメンで、その辺のモデルよりもお洒落でじつに格好良かった。あのころは写真家とモデル、両方やっていたの?

立木 バカ言っちゃいけない。おれはずっとカメラマンだよ。

セオ その番組はぼくも見ました。立木先生はいまでも十分にオーラを放っていますが、あのころもオーラがギンギンだったんですね。そういえば、藤巻幸夫さんも強烈なオーラがありました。

大西 そうだ、シマジさん、暖かくなったら二人で藤巻の墓参りに行きましょう。あいつ、喜ぶと思います。

シマジ すばらしい。是非、行きましょう。そのときはこの『お洒落極道』を彼のお墓に捧げますか。

セオ 大西社長とシマジさんが墓参りをなさるとき、ぼくも連れて行ってくださいませんか。このネスプレッソ・ブレーク・タイムの対談が始まったころ、藤巻幸夫さんにご登場いただいたご縁があるんです。

大西 そうでしたか。藤巻はマシンガンのようによくしゃべったでしょう。

セオ はい、伊勢丹を辞めてから大変苦労されて、ハローワークの窓口に行こうかと考えたことがあったと、笑いながら話されたのが印象的でした。

シマジ 懐かしいね。ここに来て「師匠、シングルモルトと葉巻の世界をぼくも深めてみたい。入門編から教えてください」というから、「藤巻、人生はすべてにおいて入門編なんてないんだよ。最初から一流の味を知ったほうが早道なんだ。これを吸ってみてよ」とトリニダッドを吸ってもらい、ポート・エレンを飲んでもらったんです。

セオ たしかにいろいろな分野で入門編みたいなハウツー本がありますが、よくわかりませんよね。むしろはじめから頂点を知ったほうが全体像がみえてくるものかもしれません。