大西洋 第4回
「シマジさん、暖かくなったら二人で藤巻の墓参りに行きましょう」

島地 勝彦 プロフィール

セオ たしかにお坊さんは葬式で現世の名前を言いますよね。そのとき「セオ・プーは愉しい人生を送られました」と言われてもなぁ。

大西 小学校の先生方も大変ですね。ふりがながないと読めないでしょう。

立木 マンガやアニメの影響って凄いんだね。立木ピカチュウか。おれなら親を恨むね。

シマジ 「大西洋」なんて、たいせいよう、と読んでも格好いいですよね。太平洋よりはるかに文化の香りがします。

わたしが25歳で「週刊プレイボーイ」の新人編集者になったとき、格好良くて大好きだった編集長の名前が五十嵐洋さんといいました。またいちばん敬愛した先輩編集者の名前が大西庸弘さんでした。

残念ながらお二人ともいまやこの世にはいません。でも、わたしはいますが如く、二人といつも会話をしているんです。だからはじめて大西社長にお会いしたとき、「またおれに人生の真夏日がやってきたかもしれない」と心のなかで喝采したものです。

大西 そこまで言っていただき、ありがとうございます。

セオ まさにシマジさんはいま人生の真夏日の真っ直中にいますよね。編集者になることとバーマンになることを10代で夢みたシマジさんが、70代にしてついに両方叶えられたというのは凄いことですね。

シマジ 常日頃の墓参りがおれの人生を守ってくれているんだろうね。

立木 シマジに尊敬されると死んでからも働かされるんだな。これじゃおれもなかなか死ねないよ。

大西 アッハハハ。

セオ そうですよね。アカの他人の七光りを、亡くなられた方からももらおうとしているんですね。

シマジ でもセオ、おれが死んだら墓参りしろよ。タッチャン、大西社長は毎月、前社長の武藤さんのお墓参りに行っているそうですよ。

立木 それはなかなか出来ることではないよ。

大西 わたしの場合、ただ無性に武藤さんの墓に行きたくなるだけです。そしてシマジさんが書いているように、大きな声を出して、いますがごとく話をするんです。