【沿線革命005】
上野東京ライン開業で浦和は武蔵小杉に続くか

阿部等(交通コンサルタント)

浦和の街は武蔵小杉に続けるか

ウィキペディアによると、浦和は高級住宅地として名高く、浦和区の世帯所得は年収1,000万円以上が20%を超え、世田谷区や渋谷区を上回り首都圏でも最高水準を記録しているという。

浦和は、東京都心への通勤・通学が便利な居住地であると同時に、県都でもあり業務地としての集積も高い。ということは、昼も夜も、平日も週末も、常に人通りが盛んであり、商業地としても高い集積が進みつつある。それがさらに街を住みやすく、働きやすいものとする。

近年の鉄道の利便向上と、それと並行した開発の進展は、浦和をますます住みやすい、働きやすい街としている。

近年、鉄道の利便向上が街を大きく変えた箇所として、多くの人が武蔵小杉を思い浮かべるだろう。駅周辺に、20階建て以上、最高59階の高級タワーマンションが林立し、便利なショッピングセンターも立地する(https://www.google.co.jp/maps/@35.5636718,139.6611466,1430a,20y,41.35t/data=!3m1!1e3)。20年前にこのような姿を想像していた人はいただろうか。

詳細は稿を改めて紹介するが、2000(平成12)年8月の東急目黒線の乗り入れとそれ以降の段階的な利便向上、さらに2010(平成22)年3月のJR横須賀線と湘南新宿ラインの停車がきっかけであることは言うまでもない。

目黒線とその先で乗り換えられる各線により東京都心との行き来が便利になり、東横線の混雑が緩和され、横須賀線により品川・新橋・東京・千葉方面と横浜方面、湘南新宿ラインにより渋谷・新宿・池袋・大宮方面と横浜方面とつながった。

浦和が、上野東京ラインと湘南新宿ラインにより各所とつながり、山手・京浜東北線の混雑が緩和されるのと同様である。駅周辺の再開発の進展や、高級住宅地として名高いのも同様である。

JR東日本が公開している1999(平成11)~2013(平成25)年度の各駅の乗車人員のデータから、武蔵小杉と浦和を整理した。

武蔵小杉も浦和も鉄道の利便向上と同時に乗車人員が増大してきた(JR東日本HPより)
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武蔵小杉は、2009(平成21)年度まで微増が続き、横須賀線と湘南新宿ラインが停車するようになった2010(平成22)年度に約30%も増加し、翌年度以降も増加が続いている。浦和は、2012(平成24)年度まで横這いから微増が続き、湘南新宿ラインが停車するようになった2013(平成22)年度に約5%増加した。

武蔵小杉の発展の姿と浦和の未来の姿を重ねて見るのは私だけではあるまい。

【沿線革命004】も引続き多数の方がツイート下さった。ツイート以外でも、読者の皆様の自由な質問や意見や情報をお受けしている(http://light-rail.blog.jp/archives/1014464871.html)。すべての投稿に目を通した上で以降の執筆の参考とさせていただく。

阿部等(あべ・ひとし)
1961年生まれ。東京大学 工学部 都市工学科卒。88年にJR東日本へ入社、保線部門を中心に鉄道の実務と研究開発に17年間従事。2005年に同社を退社し(株)ライトレールを創業、交通計画のコンサルティングに従事。著書『満員電車がなくなる日』。日経ビジネスオンライン「キーパーソンに聞く」が好評。FacebookとTwitterにて実名で情報発信。交通や鉄道の未来を拓きたい方のために、交通ビジネス塾(http://www.LRT.co.jp/kbj/)を主催し、工学院大学オープンカレッジ鉄道講座(http://www.LRT.co.jp/kogakuin/)の事務局を務めている。
http://astore.amazon.co.jp/lightrail-22/detail/4827550298