勝とうが負けようが何も変わらないーーかくあるべし 藤田寛之「男が惚れる」人生とゴルフ

週刊現代 プロフィール

インタビューなどに見え隠れする、反骨精神も男心をくすぐる。例えば'10年の全米オープン初出場のとき。見事に予選を通過した彼をマスコミは持ち上げた。だが本人は、「予選通過のなにがいいんですか」と憮然とした表情を見せた。

'11年にはマスターズに初出場。だが、「自分は世界ランキング43位。日本一がこの順位でいいのか」と発言。ゴルフ界に一石を投じている。

プライベートについても同様だ。常々、「仕事と家族は両立できない。オレはゴルフを取る」と公言している。藤田はこう苦笑する。

「こういう古い考え方をしているから女性に人気がないんですかね(笑)。でも会社勤めの人も大きな仕事を抱えた時、家族優先では達成率は下がると思う。自分のスタンスを家族のために崩すことはできない」

「仕事」であるゴルフ一筋に生きてきた彼も45歳になった。今後、どうやってトップの座を維持していくのだろう。ゴルフ評論家の宮崎紘一氏は、「自分を信じること」と「欲」を挙げる。

「彼はバーベルを上げるようなトレーニングを続けています。一般的にはゴルファーにはあまり良くないと言われますが。でも彼は、自分の肉体感覚を信じているから、トレーニングを続ける。道具も、食事もそうです。『みんながそうするから』と、流されたりはしません。もう一つは欲。『できるだけ長く第一線で』と本人も語っています。そして彼は、自分が『並以下』という意識がある。そんな自分が第一線でいるために、やるべきことを常に考え、練習やトレーニングを今も続けているのです」

驕らず、高ぶらず、己のすべきことに一意専心。藤田寛之という男は、言葉ではなく、ゴルフという競技を通じて、そんな大切なものを見せてくれている。だからこそ、中高年男性はそんな彼を応援したくなるのだろう。(文中一部敬称略)

「週刊現代」2014年12月20日号より