教授や友人と食事を共にし、社交性と教養を磨く「フォーマルディナー」の魅力

オックスブリッジ卒業生100人委員会

チャリティーフォーマル

学生が主催するこのチャリティーフォーマルは、収益を寄付することを目的としたもの。中でも人気なのは、"ハリー・ポッター・フォーマル"だ(写真6-7)。ホール内だけでなく、廊下も飾り付けは、映画のハリー・ポッター風で、テーブルには、蛙チョコやジェリービーンズを散らし、原作のように、ゲボ味のジェリービーンズを「パスタみたいな味で美味しい」と、楽しんでいた友人もいた。

(写真6 )ハリーポッターフォーマル
(写真7)ハリーポッターフォーマル


中でも見ものだったのは、本物のふくろうが飛び回るフクロウショー(写真8)だ。学生の頭上をふくろうが飛び回る光景は、まさにハリー・ポッターの映画さながらだった。今年のハリー・ポッター・フォーマルの初日は、ショーをする人たちが渋滞に巻き込まれ、ふくろうがフォーマルの時間に間に合わなかったというハプニングもあったとか。

(写真8)ハリーポッター・フォーマルディナーのふくろうショー

エスニックフォーマル

世界の味覚を堪能しようという目的で、さまざまな国の文化をテーマにしたフォーマルディナーがある。日本がテーマのJapanese formalに参加した時には、冷や汗と笑いが止まらなかったことを覚えている。メニューは、前菜のスープが味噌汁で、メインはTeriyaki beefかSoba noodles with AMAI sauce、デザートは抹茶プリンだった。なぜか、焼きそば(しかも甘い)の上にピーナッツが乗っていたのだ。「パンをスープにつけて食べるでしょ?」と言いながら、バターを塗ったパンを味噌汁につけて食べている人もいた。Teriyaki beefを頼んで、固いステーキを切るのに苦労したりしていた人から、「Teriyakiって日本語で固いという意味なの?」と質問された時には、答えに窮した。

日本の食事がこのようなものだと誤解されてしまいそうで悲しい気もしたが、日本を知りたいと思ってディナーに参加してくれたことを思うと嬉しく、こういう時に、日本人としてのアイデンティティを強く感じる。

フォーマル・ディナーの裏事情 〜これって本当にフォーマル?〜

最後に、フォーマルディナーの時のゲームやエピソードを少し紹介する。

Save the queen! ペニーイング

イギリスの1ペニー硬貨は、財布の中では存在感はないが、フォーマルディナーになると、一番危険な存在になる。ワインに1ペニー硬貨を入れられると、一気にそのワインを飲み干さなければならないルールが学生の間にはあるのだ。飲まなければ、「(1ペニー硬貨の裏の)女王陛下が溺れることを黙って見ているの? それはダメだから、溺れる前に早く救出を!」と言われる。何度もペニーイングされる場合もあるので、グラスを手元に置き、警戒しながら食事をする学生をよく見かける。さらに、デザートに手を付ける前に5ペンス硬貨をデザートに刺されると、手を使わずに食べなければならないというルールもある。ケーキに顔をくっつけて、顔中クリームだらけになっても食べるのだ。Work Hard, Play Hard.

ありえないフォーマルメニュー

聞いたこともないような料理名がメニューに書かれていることもあるのだが、逆に「え?」と、思わず自分の目を疑うような料理名が並んでいる場合もある。例えば、ケンブリッジ最古のピーターハウスカレッジでは、メインにピザやカレーが出てきたこともあったそう。フォーマルディナーとは思えないメニューを出すところも逆に面白いのかもしれない。

ここで説明したフォーマルディナーはほんの一部だ。カレッジによって異なるフォーマルディナーに参加することで、カレッジ文化の違いを感じるだけでなく、自分のカレッジへの愛着を強く持つことができる。その意味でも、フォーマルディナー文化の意味は大きいのかもしれない。

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                                                    オックスブリッジ100人委員会より