キーパーソン・二見徹氏に聞く
自動運転技術や電気自動車が変える世界

NISSAN・近未来のモビリティ 世界をよくするテクノロジー【第1回】
近い将来、自動車はどう変化し、それによって世界がどう変わろうとしているか。日産自動車の先進技術開発の最前線で研究開発に取り組む二見徹氏に聞いた。

「至誠は天地を揺るがす」

 現在の日産を築いた鮎川義介が好んだ言葉だ。誠心誠意、事業を進めれば、いつか驚天動地の大変化が起こる。同社が今、車社会のあり方を一気に進化させるほどの大変革を成し遂げようとしているのは、長く、この姿勢を貫いてきたからだと思われる。日産の先進技術開発のキーパーソン、二見徹氏が話す。

二見 徹(ふたみとおる)
日産自動車 電子技術開発本部 IT&ITS開発部 エキスパートリーダー。東京大学工学部電子工学科卒業後、1981年、日産自動車株式会社入社。車載電子システム研究や、ITシステムの企画・開発にたずさわり、現在はIT&ITSシステムおよびEV-ITシステムの企画、開発を手がける。

「自動車は、長いあいだ解決できなかった課題を4つ持っていました。エネルギー問題、環境問題、あとは事故と渋滞です。そんななか弊社は、半世紀以上の長きにわたり『これらを放置して今後を迎えることはできない』と考え、継続的に解決へ向け研究を続けてきました」

 たとえばエネルギー問題と環境問題に立ち向かうべく、彼らは電気自動車の開発を続け、2010年に電気自動車「リーフ」を世に出した。移動コストはガソリン車の約5分の1。さらに、「リーフ」は大型の蓄電池を内蔵している。

 太陽光パネルは〝出力がお天気次第〞という弱点を持つが、「リーフ」と組み合わせれば、太陽光で充電し、走る、という究極のエネルギー対策、環境対策が実現する。

 残る事故と渋滞に立ち向かうのは、自動車の「知能化」だ。自動運転が実現されれば事故は大幅に減り、当然、渋滞も減る。また、上り坂など自然渋滞多発地点の混雑も減少する。なおかつ、渋滞に巻き込まれても、自動運転であれば、ドライバーも同乗者も渋滞中の時間を有効に過ごすことができ、ストレスは大幅に軽減される。

 今回の短期集中連載では、この自動運転技術を中心に日産の最先端技術をレポートしたい。