テレビも企業も飲食店も、ストーリーがなければ成功しない!
『物を売るバカ』著・川上徹也氏×毎日放送・本郷義浩氏

スペシャル対談

まずい店を見抜く「3大禁句」とは?

川上 『うまい店の選び方 魔法のルール39』のなかにも、すごく興味深い項目があったんです。

本郷 ありがとうございます。どこでしょう?

川上 冒頭、おいしい店を見抜く方法として書かれていた、「3大禁句を使っている店は避ける」というところです。その3つとは「旬の食材」「伝統の技」「こだわりの料理」で、いわゆる常套句というやつですね。僕も『物を売るバカ』の中で、「伝統」や「こだわり」といった、一見すごそうだけれどその実何も言っていないコピーは効果がない、と紹介しているのですが、レストランの選び方でも使えるということが驚きでしたね。

本郷 他に言いようがないから、そういう曖昧な言葉を使わざるをえないところがあると思うんです。そのこだわりが本物なら、どうこだわっているのか、何がすごいのか、もっと具体的に書けるはずでしょう。

川上 あと、「心づくしの」「愛され続けて何十周年」なんかもそうですよね。それはお客さんが言うことだろう! と思わずツッコんでしまったり。

本郷 やっぱり、自分の店や料理の良さに気づいて、オリジナルの言葉で言わないと伝わらないと思います。そういう意味でも、売れる商品と人気のあるレストランは似ていますね。

川上 店名も、つけ方を間違えると逆効果です。寿司屋なのに代替わりのときにカフェっぽいローマ字の名前をつけてしまい、誰も正しく読んでくれないし近所のマダムたちがお茶で長居してしまう、という店があるんです。歴史というストーリーもあり、素材も良くておいしいのにもったいないことです。

本郷 店名もメニューもコンセプトも、伝えたいことを的確に伝える技術というのは欠かせないスキルですよね。

川上 本当にそうですね。いや、飲食店もやはりストーリーが欠かせないということがよくわかりました。また、こっそりおいしいお店を教えてください(笑)。今日はありがとうございました!

<了>

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本郷義浩(ほんごう・よしひろ)
毎日放送プロデューサー。1964年、京都府生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、88年毎日放送に入社。以来、料理情報番組、バラエティー、ドキュメ ンタリー(「真実の料理人」「若冲降臨。増殖する細胞」)、音楽番組(「音舞台」「魔法のコンサート」)など幅広いジャンルの番組を制作。なかでも 2001年にスタートさせた「水野真紀の魔法のレストランR」は長寿番組として関西のゴールデンタイムで不動の人気を誇る。

本郷義浩・著
『うまい店の選び方 魔法のルール39』
KADOKAWA(角川書店)/定価1400円(税別)
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関西で毎週月曜のゴールデンタイムに放送されている人気グルメ情報番組「水野真紀の魔法のレストランR」のプロデューサーが、長年の番組作りと1万件以上訪れたプライベートの食べ歩きから導き出した、文字や玄関先だけでうまい店が見抜ける魔法のルールを本書で初公開。

川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所代表。 大阪大学卒業後、大手広告代理店に入社。営業局、クリエイティブ局を経て独立。コピーライター&CMプランナーとして50社近くの企業の広告制作に携わ る。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴は15回以上。「物語」の持つ 力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という言葉を生み出した第一人者としても知られる。 著書に、本対談のベースとなった本『物を売るバカ』(KADOKAWA)などがある。

川上徹也・著
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売れない時代に物やサービスを売るためには、物ではなく物語を語ることで「独自化」「差別化」していくこと。「物を売らず物語を売る」方法を、ストーリーブランディングの第一人者である著者が伝授する。

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