[アイランドリーグ]
高知・梶田宙球団社長「10年プレーした場所へ恩返しを」

スポーツコミュニケーションズ

悪夢から救ってくれたファンの声

 高知での10年を振り返ると、いろんなことがありました。開幕戦で愛媛の西山道隆さん(元福岡ソフトバンク)から、リーグ初安打を放ったのは良き思い出です。逆につらかったのは翌06年のリーグチャンピオンシップ。1勝2敗と王手をかけられた第4戦、9回裏のピンチで僕がレフトライナーを後逸してのサヨナラ負け。香川に優勝を決められ、野球人生最悪の出来事にひどく落ち込みました。

「野球を辞めよう」とさえ思った僕を救ってくれたのは、ファンの方でした。「これで終われないぞ!」。そう叱咤激励していただいたことが立ち直るきっかけとなったのです。「もう、こんな悔しい思いは2度としたくない」。その一心で守備を必死で特訓しました。足だけが取り柄だった僕が、守りでも自信を持ってプレーできるようになれたのは、あの経験があったからです。

 そして09年はリーグ優勝と独立リーグ日本一。ファンの皆さんと炭酸水ファイトで喜びを分かち合えたのは最高にうれしかったです。それだけに、ここ数年の低迷は選手のひとりとして申し訳なく感じています。

 このリーグは誰もがNPBを目指してやってきます。チームメイトだった角中勝也(千葉ロッテ)や、今季、新人ながら中日で活躍した又吉克樹(元香川)とともにプレーしたり、対戦できたのは僕にとっても誇りです。個人的に印象に残っているのは、バッターでは林真輝さん(愛媛-高知)。NPBに行けなかったものの、1年目に首位打者を獲るなどバッティングのうまさはズバ抜けたものがありました。

 ピッチャーではアンダースローの塚本浩二さん(香川-東京ヤクルト)も厄介でした。球速は130キロそこそこながら、ボールが伸びあがってきて、ものすごく速く感じたことを覚えています。また今回、東北楽天に5位指名を受けた入野貴大ともよく対戦しましたね。在籍7年でNPBに行くのは、過去最長だとか。年数を重ねても上に進めることを証明し、今、リーグで頑張っている選手たちの励みになるでしょう。

 もちろん僕も最初はドラフト指名を夢見て練習、試合に取り組んでいました。ただ、NPBと実際に交流試合で対戦してみると、打力が足りないことを痛感しましたね。4、5年目を過ぎたあたりから、年齢的にもチャンスがないことは自覚していました。