前回は2014年の不動産業界の全体的な動きを見てきましたが、今回は町を中心に具体的な注目ポイントを紹介していくことしましょう。
都内で2013年から14年に最も変貌したエリアのひとつが池袋でした。特に注目は東池袋4丁目を中心にした地下鉄有楽町線東池袋駅周辺です。例えば東池袋駅に直結し、豊島区本庁舎と一体化した南池袋2丁目の「ブリリアタワー 池袋」は分譲戸数322 戸が、9 月2 日で全戸契約完売致して話題になりました。現在も同駅周辺では地上33階に設置された「プレミアムビューラウンジ」が話題の「アウルタワー」などタワーマンションの販売が続いています。
池袋駅を挟んで反対側に位置する西池袋でも、山手通り要町交差点側の西池袋三丁目で「ダイレクトタワー池袋要町」など大型タワー物件が相次いだことで、住宅地としての認知が高まっています。
山手通り沿いと聞くと、住宅用地としては不向きな印象があるかも知れませんが、山手通りの真下に高速道路が開通したことで交通量が激減し、驚くほど騒音も減りました。これは前回紹介した代々木上原にも共通することですが、今後山手通り沿いのエリアで住宅地として見直される場所が出てくるのではないでしょうか。
大震災以降、地震への不安から人気にかげりが見えかけた湾岸エリアも、再び活気づいてきました。とくに中央区勝どき5丁目に建つ「KACHIDOKI THE TOWER/勝どき ザ・タワー」は大きな話題でしょう。なにしろ総戸数1420戸という日本国内でも最大級のスケールですが、6月から分譲を開始し既に約800戸が売れてしまいました。
建設地は東京五輪と連動するように平成28年に開通する「環状第2号線」に隣接しており、これが開通すれば汐留や六本木、新宿方向へのアクセスが飛躍的に向上することが予測されています。厳密に言えばこのあたりも埋め立て地ですが、昭和以降に作られた場所とは異なり歴史があるため地盤も安定していますし、なにより都心への距離が近いため万が一の災害時にも徒歩で帰宅できるのは魅力です。
このほか、湾岸では豊洲あたりもまだ新たな物件が出ています。豊洲では2丁目、3丁目は既に開発が一段落していますが、豊洲駅の南西に位置する豊洲5丁目では「パークホームズ豊洲ザレジデンス」が、豊洲6丁目では「BAYZ TOWER&GARDEN」が販売中です。後者は豊洲駅から14分とやや距離があるものの、豊洲ふ頭の東端に位置することから来る採光と水辺の景観から順調な販売を続けています。