急増中! エラそうだけど下手な医者 患者が次々死亡する群馬大病院

「ドクターX」はいなかった
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下手医者の見分け方

ちなみに今回群馬大でミスが次々と発覚したのは、今年4月、千葉県がんセンターで腹腔鏡手術を受けた患者が3名死亡したと報じられたことが発端だという。

「その報道を受け、うちは大丈夫か、と医療安全管理部が調べ始めたら明らかになったんです」(同広報担当者)

千葉県がんセンターでも、当時、経験の浅い医師らが新しい手法の手術を繰り返していた。同センターに勤務していた医師が話す。

「何年も前から、消化器外科では経験が少ない医者たちが腹腔鏡手術で事故を繰り返していただけでなく、安全性が確立されていない保険外の外科手術もかなり行っていました。術後、とたんに症状が悪化、翌日に再手術、ということがしょっちゅうあったんです」

医師たちにとって、もはや手術は「治療」ではなく「実験」の感覚だった。

「本来は開腹手術でやったほうがいい症例でも、症例を積み重ねたいからリスクがあっても腹腔鏡手術に踏みきるケースは少なくありません」(前出・油井氏)

失敗を繰り返した結果、同じ病院に居続けることができなくなったとしても、そのような医師たちは、病院を移って患者を診察し、手術を続けている。私たち患者が、こんな医者から身を守るためにできることはないのか。前出の南淵医師は、こうアドバイスする。

「手術の際に、他の選択肢も説明せずに『小さい傷でできるから』と低侵襲の手術だけを勧めてくる医者は信用してはいけない。傷が大きかろうが小さかろうが、手術の結果は腕次第。医者から言わせれば、どんな方法でもちゃんと治す医者、トラブルばかり起こす医者の差は歴然なんです。

それから、手術前に執刀医がきちんと挨拶に来てくれるか。HPなどでも、顔や名前、経歴などをきちんと出しているかどうかも見たほうがいい。名前と顔を出している医者は、患者の命を預かっているという覚悟がある。何があっても逃げない医者だと言えます」

上手い、下手があるのは仕方ない。一度も失敗しないという医者は存在しないだろう。だが、失敗したとき、現実と向き合い、その経験から学んで次の治療に活かせるか。その姿勢こそが、医者の「腕」の差につながる。

「ドクターX」にはめったにお目にかかれないのなら、せめて「私、失敗しますので」と開き直る医者の被害にだけは遭わないように、気をつけたい。

「週刊現代」2014年12月6日号より