現地で徹底調査 何でも日本一福井県に学ぶ「幸福な暮らし」の秘密

小・中学生の学力&体力1位、社長輩出率1位、女性の社会進出1位の実力を見よ!
週刊現代 プロフィール

「人に会いたいと思ってなくても、外を歩いてりゃ知り合いに会うんだからね。いっつもこうして道端で話し込んでしまうんだわ」

市街地を少し離れると、道端に腰かけてお年寄りがしゃべり込んでいた。都会のように、高齢者が孤独を感じることはないらしい。

「福井市でも一番の街中、宝永地区で、こんなことがありました。独り暮らしをするおばあちゃんの姿を最近見ない、と近所の人がみんなで探し始めたんです。そうしたら、地域内でおばあちゃんが動けなくなっているのを見つけた。すぐに病院へ運んで事なきを得ました」(福井県観光営業部・飯田久人氏)

これが東京なら、孤独死してもおかしくない状況だっただろう。地域のつながりが、人々の健康も支えていることがうかがえる。

野球解説者の川藤幸三氏は、地域の絆が強い福井で育ったことが、今の自分を作っていると振り返る。

「子供の頃は、近所の畑に行っては野菜や果物をようもらったり、海ではサザエを獲ったり、野生児みたいな生活をしとった。でも、ほったらかしにされていたわけじゃなく、家族や近所の人たちによう怒られましたわ。そういう自然環境と人の絆が福井にはあるんや。そこで培った粘り強さがあったからこそ、プロで19年間、一度もレギュラーになることなくても、根性だけ持ってやり通すことができたわけや」

目立つ華やかさはないが、住めば都。地元愛の強さこそが福井県を豊かにし、そこで暮らす人々の幸福につながっている。

「週刊現代」2014年11月29日号より