ケンブリッジで身につく、自ら学問の世界を切り開き、自分を磨く「独学」の力

<現地レポ>ケンブリッジ授業潜入
オックスブリッジ卒業生100人委員会

特に自然現象に関しては、我々の理解していないことがまだ膨大にある。そのため、多くの文献を読み、さまざまな意見を知ることが重要だ。この古き教育システムはケンブリッジの歴史の象徴である。著者の柴田の場合、気象学のみならず氷河学や火山学と幅広い地球の自然現象のメカニズムの分析と同時に、第四紀という258万8000年前からの地球の歴史も勉強している。特に面白いのが、各科目での教授の実体験の話だ。氷河学の場合、グリーンランドや南極に何度も行っている教授が多いのため、今まで見たことのないような美しい自然界の写真などを授業後半に見せてもらえる。

フィールドワークという名の地球旅行

講義とスーパービジョンに加え、地理学部と地球化学部には、フィールドワークというものがある。地質の勉強のため、実際に地形の勉強に適したところまで行くこともある。また、地理学では、自然地理・人間地理とがあるため、フィールドワークの内容や行き先も様々だ。著者の場合、自然地理が専門のため、大西洋にあるスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に、火山学と島の生態の研究に1週間ほど行った。1週間でデータを集め、ケンブリッジに戻り分析を行い、レポートを提出するというプロジェクトとなる。自分が勉強した内容を応用し、実際の自然環境の分析に取り入れるのは非常に面白い。こういったフィールドワークを通し、教室外での学問の適用を学ぶ。また、地球の偉大さ、自然の複雑さを改めて実感させられる。

火山島の特徴的な生態の勉強にテネリフ等へ
地質学:一学期目からフィールドトリップへ突入。自然科学の地質学も授業の一環として1年目から春、夏休みにフィールドコースがある。一、二年目は国内だが三年目からはギリシャ、スペインなどのに行くこともできる。地質学を専攻する生徒は三年目の前の夏に自主的なマッピングプロジェクトを行うことが必修で、世界のあらゆる場所に行く生徒もいる。現場で岩石の非常に微妙な性質や観測から大地の由来を読み取ることはなかなか難しい。

ケンブリッジの授業・8週間の戦い

こうしてハードなコース内容で常に自分が試されたまま8週間が過ぎてゆく。与えられた内容を勉強するだけではなく、自分で学問の世界を切り開き、自分を磨く「独学」の力が必要とされるため、知識に加え行動力・分析力・判断力などとあらゆるスキルがどの学部でも身につく。この独特な環境で、ケンブリッジの学生の多くは、勉強の量と難しさに嫌気がさしながらも、同時に大学に愛着がわくようにもなる。いずれにせよ、日々知識が身につき、アカデミアのトップに立つ教授たちと向き合う日々は贅沢きわまりない。

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                                                    オックスブリッジ100人委員会より