偏見と闘う介護者たち---『認知症の「真実」』著・東田勉

東田 勉 プロフィール

認知症医療と認知症介護の最先端を共に紹介しながら、私が目指したのは、読者に判断をゆだねる道だ。「認知症は、遺伝するのではないか」「発病したら数年間しか生きられない」「やがて人格崩壊の極地へと向かう」といった世間の偏見と闘っている介護者に対して、それがいちばん誠実な態度だと思えたからだ。

私はかつて介護雑誌の編集者をしていたとき、ある介護者の記事を書いたところ、「姉の言い分だけを一方的に紹介するとは何事だ」と介護者の妹から呼び出しを受けたことがある。介護の世界では、手も金も出さない親族がクレーマーになるのはよくあることだ。私はこれを「次女問題」と呼んでいるのだが、この本では介護者の親族から呼び出されないと思う。

(ひがしだ・つとむ 介護ライター)
読書人の雑誌「本」2014年12月号より

『認知症の「真実」』の著者インタビューはこちらからご覧ください

東田勉(ひがしだ・つとむ)
1952年生まれ。國學院大学文学部国語学科卒業。コピーライターとして制作会社数社に勤務後、フリーライターとなる。2005年7月から2007年9月まで、主婦の友社から刊行された介護雑誌『ほっとくる』の編集を担当。同誌休刊後、フリーのライター兼編集者として活躍中。主な編著作に『介護のしくみ』、『新しい認知症ケア 介護編』『新しい認知症ケア 医療編』など多数


 

東田勉・著
『認知症の「真実」』
講談社現代新書/定価:800円(税別)

認知症は医師選びを間違えると、とんでもない悲劇が襲う。認知症高齢者462万人を介護する家族 必読の衝撃作がついに登場。
不幸にも無知な医者から塗炭の苦しみを舐めさせられた認知症の家族を幾人も取材し、陥りやすい医療過誤と、そこから逃れるにはどうすればいいかという貴重な証言を得た。認知症の薬害問題と闘う医療の専門家、介護の専門家の意見と実践も併せて紹介する

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