生きるか、死ぬか。この戦いを制した者が日本を制する セブン-イレブ ンvs.アマゾン 流通大戦争——「黒船」を日本から放逐せよ!

週刊現代 プロフィール

同社は昨年6月から埼玉県久喜市に、延べ床面積約1万5000坪の倉庫「セブンネット久喜物流センター」を建設し、物流を強化している。アマゾンの小田原倉庫と比較すれば規模は小さいが、今後は物流センターも2つ、3つと増やしていく可能性が高い。

「セブン-イレブンのおにぎりは、全国の店舗で一日3便も届けられる。それほどまでに密で迅速な物流網がすでに完成しています。極論を言えば、将来的にはサラリーマンが昼に『今日はどうしても刺身が食べたい』と思えば、スマートフォンで注文して帰り道にセブン-イレブンで受け取れる、ということまで可能になるでしょう。この場合、生鮮食品を扱えることも、スーパーを抱えているセブン&アイHDの利点となります」(前出の元幹部)

品目数、実店舗数、物流システム、配達速度。両社はそれぞれ一長一短があり、実力は拮抗している。ならば、最後に消費者にとって決め手になるのはなにか。前出の並木氏はこう語る。

「アマゾンがネットを窓口にした『ドライ』なサービスなら、セブン&アイHDが目指しているのはあくまで人を介在させる『ウェット』なサービス。自社の

スタッフが商品の注文から配達まで関わる。街にあるセブン-イレブンの店舗が、自宅の玄関まで延長してくる、というイメージです。

アニメの『サザエさん』には、毎日サザエさんの家を訪れて、御用聞きをする『三河屋』のサブちゃんが登場します。セブン&アイHDは、まさに現代の『三河屋』を目指しているのでしょう」

つまり、圧倒的な物量を武器に、「安く速く」を推し進めるアマゾンに比べ、セブン&アイHDはどこまでも「人の顔が見える」サービスにこだわろうとしている。セブン&アイHDとアマゾン。どちらが勝っても、日本社会の様相は大きく変わることになる。

「週刊現代」2014年11月22日号より