生きるか、死ぬか。この戦いを制した者が日本を制する セブン-イレブ ンvs.アマゾン 流通大戦争——「黒船」を日本から放逐せよ!

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そして将来的には店頭受取だけではなく、自宅まで商品を即日配達するサービスも視野に入れている。「インターネットでの注文」と、「即日配達」。このサービスこそが、まさにアマゾンが展開している事業とバッティングすることになる。

「モンスター」への挑戦

実は、このネットとリアル店舗の垣根をなくす構想は鈴木会長の息子であり、現在グループ会社セブン&アイ・ネットメディア代表取締役の康弘氏が、10年ほど前から温めてきたものだった。康弘氏は大学卒業後、富士通を経てソフトバンクに入社しているが、当時、同氏と親交のあった人物はこう証言する。

「リアルな店舗とネットを使って新しい流通システムを築くという発想は、康弘さんがソフトバンクにいた頃から提案し続けてきたことです。'99年から彼はセブン-イレブン・ジャパンとソフトバンク、ヤフー、トーハンの合弁会社である『イー・ショッピング・ブックス』の代表取締役をしていましたが、ソフトバンクの商品をネット注文したら、セブン-イレブンで受け取るというサービスをすでに展開していました。思えば、その頃から康弘さんにはオムニチャネルのアイデアがあったのでしょう」

つまり、オムニチャネル戦略はセブン&アイHDを牽引する鈴木家2代の野望とも言える。

一方、「通販の王」として君臨するアマゾン。日本国内だけで売上高はおよそ7400億円(2013年)を計上し、月間のHP訪問者数は延べ4800万人に達する。ネット通販国内第2位の楽天ですら、売上高4435億円(2013年)と引き離されている。その状況のなかで、巨人・アマゾンと日本最大の流通チェーンであるセブン&アイHDが正面衝突するのだ。

どちらが顧客を囲い込み、勝利を収めるのか—。これは流通を舞台にした、日米の代理戦争と言っても過言ではない。

アメリカ・シアトルに本拠を置くアマゾンは'00年の日本上陸以来、驚異的なスピードで成長し、流通業界の常識を覆してきた。そのインパクトは、まさに「黒船」を彷彿とさせる。

元マイクロソフトジャパン社長で、現在インスパイア取締役ファウンダーの成毛眞氏はアマゾンの存在をこう評価する。

「アマゾンは現在、日用品から家電、電子機器、食料、書籍に至るまであらゆる商品を扱っています。さらに今年4月からは酒類の直販まで開始し、酒販業者に衝撃を与えました。いまこの瞬間にも拡大し、成長し続けている。アマゾンはまさに手のつけられない『モンスター』です」

アマゾンが顧客からの支持を集める要因には、圧倒的な品目数がある。アマゾンが扱う商品は、アマゾン以外の個人や業者が出品するマーケットプレイスを除いた自社在庫だけでも、数千万点にのぼるという。