〝認知症〟は国と医者が作り上げた虚構の病だった!「闇」に斬りこむ

介護ライターが見た「希望」とは?
東田 勉 プロフィール

Q なるほど。おとなしくさせる薬はいくらでも使える、精神科への入院はいつでもOKとなると、行政が認知症の恐怖を煽るのは危険ですね。

「今の日本では、誰もが認知症治療のワナにはまる可能性がある」と警鐘を鳴らす東田氏

東田 そもそも、入院が認知症をつくってきたとも言えるのです。急性期の病院は必要ですが、ヨーロッパではできるだけ早く自宅に帰して在宅でのリハビリ態勢をつくります。日本では急性期病院のあとに回復期の病院や老健があり、それでも自宅へ戻れないお年寄りが慢性期病院へと移っていって寝たきりになるのです。そうしたお年寄りは、かなりの確率で認知症を合併しています。入院は、できるだけしないほうがいい。薬もできるだけ使わないほうがいい。それが、最大の認知症予防です。

Q 本書では、認知症を引き起こす最大の原因は薬であることを強調していらっしゃいますね。

東田 結果として、そうなるのです。65歳未満で発病する若年認知症は脳の病気と考えてもいいでしょうが、かなり高齢になっている人の認知機能が衰えたからといって、「病気だから治さなければいけない」と薬を使えば、良い結果を生みません。認知症を引き起こす最大のリスクファクターは、長生きなのです。高齢であれば、「認知症になるくらい長生きしたのだ」と喜ばなければなりません。そこがスッポリと抜け落ちた状態で治療へと走るから、事態が悪化します。

Q それだけ、認知症が恐がられているということですね。

東田 「長生きをしたい」という願いと「認知症にはなりたくない」という願いは、本来矛盾しているのです。それなのに多くの日本人は、「認知症にならずに長生きしたい」と考えます。極端になると、「認知症になるくらいなら、長生きしなくてもいい」と言う人もいるほどです。海外の先進国では、認知症を怖がらせないキャンペーンをどの政府も率先して行っているのに、日本の政府は「早期発見、早期絶望」へと向かわせています。