第4回ゲスト:ドン小西さん (前編)
「デザイナーの仕事は新しい価値を生み出すこと。いくつになってもそれを忘れちゃいけない」

島地 勝彦 プロフィール

懐古趣味の、ナフタレン臭い連中とのつき合いはもう勘弁

ドン それはおっしゃる通り。でも歳をとるとどうしても、前を見るよりも後ろ、若かった頃を懐かしむ人が多くなる。結局、歳を取った自分に自信がないんでしょうね。だから、昔を振り返って「あの頃はよかった」となるわけですが、そういう集まりはホントに苦手。

島地 ファッションの世界もそうなんですか。みんな歳を取ってもお洒落をして、元気でいるようにも見えるけど。

ドン 「男子専科」っていう雑誌が復刊されたとき、記念パーティがあったんですね。会場には、日本のメンズファッションの一時代を築いてきたデザイナーやら、それを取り巻くジャーナリストやらが勢ぞろいで、みんな目いっぱいお洒落してるわけ。

そりゃ、昔はいい女だったし、伊達男だった。その面影はたしかにあるんだけど、なんていうかなあ、こう、ナフタレン臭いんですよ。

島地 ナフタレン臭い! うまい表現だ。

ドン 今はもう第一線から退いていて、久々に表舞台に出てこれたのがうれしいんでしょうね、水を得た魚のようによくしゃべるし、酒も浴びるように飲むわけよ。でも、昔いい女だった頃を知ってるだけに、カスタネットのようにカタカタ笑う様子がいたたまれなくて・・・。

島地 うまい! もう半分入れ歯だから、カスタネットのようにカタカタ笑うわけだ。その場を想像するだけで、さすがのおれも萎えてくるね。

日野 確かに、ちょっと背筋に冷たいものが走りますね、それは。