「サードウェーブ」の上陸と「昭和レトロな店」の復活!
カフェ業界で今後生き残る店とは?

鈴木誉志男(株式会社サザコーヒー会長)×高井尚之(『カフェと日本人』著者)
鈴木誉志男, 高井尚之

高井 著書の『カフェと日本人』では、コーヒー1杯に支払う金額を「300円まで⇔500円を超えても気にしない」と二極化していると書きました。これも同じ人が状況で使い分けるケースも目立ちます。

鈴木 低価格で勝負しても、大量生産のできる大手チェーンには勝てません。サザコーヒーは高品質の商品を手頃な価格でご利用いただくことをめざしてきました。本店のホットコーヒー1杯は500円前後。ドリンクとフードやスイーツをセット料金にすれば販売数は出ますが、あえてしません。それでもお客さまは来てくださいます。

 コーヒー豆でも、たとえば「徳川将軍珈琲」は200g・1500円(税込)で人気です。これは茨城県にちなみ水戸藩出身の徳川慶喜15代将軍が飲んだと思われるコーヒーを現代風に甦らせたもの。インドネシア・北スマトラの最高級を用いて慶喜の直系の曾孫である徳川慶朝さんに深煎りしてもらいました。いまは指導をお願いしています。

高井 長年続く店になるには、どんな作業をしているかがカウンターやガラス越しにわかるように示したり、原材料を紹介する「見える化」も必要でしょうね。入りやすい店で気軽に飲食が楽しめるのがカフェの持ち味で、消費者は「今日の自分にピンと来れば」店に入り、居心地に満足すれば「また来よう」と思います。

 カフェは生活必需品ではありませんが、文化度のバロメーターとしては欠かせない存在です。常連客に支持される人気店となっても進化を怠らない店は、これからも生き残れると思います。

著者= 高井尚之
カフェと日本人
(講談社現代新書、定価:本体760円+税)

【おもな内容】
第1章 カフェの誕生
第2章 日本独自の進化を遂げたカフェ・喫茶店
第3章 なぜ名古屋人は喫茶好きなのか
第4章 カフェ好きが集まる聖地
第5章 「うちカフェ」という見えざる市場


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