「サードウェーブ」の上陸と「昭和レトロな店」の復活!
カフェ業界で今後生き残る店とは?

鈴木誉志男(株式会社サザコーヒー会長)×高井尚之(『カフェと日本人』著者)
鈴木誉志男, 高井尚之

高井 昭和時代のコーヒー職人は、黙々と作業をするタイプも多かったのですが、現代のバリスタは、味をつくり出す技術はもちろん、コミュニケーション能力も求められます。

 国内大会では「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」「ジャパン ラテアート  チャンピオンシップ」などがあり、勝ち抜くと世界大会があります。日本の技術は高く、小川珈琲や丸山珈琲からは世界チャンピオンを輩出。サザコーヒーも積極的に大会に挑んでいます。

鈴木 今年は当社の尾籠一誠(二子玉川店副店長)が「ジャパンブリュワーズカップ」(機械など動力を使わない淹れ方でコーヒーの味を競う)で優勝し、イタリアで行われた世界大会で9位となりました。この大会には「チームサザ」として尾籠バリスタの他、焙煎担当やティスティングなどの専門家、通訳など合わせて7人を派遣しました。本人の努力はもちろん、サポートするスタッフも真剣で、技術も磨けますし、社内の求心力も高まります。

今後生き残るのは「基本をしっかり行う店」

高井 スターバックスやドトールなど、長く業態の主流だったセルフカフェに変わり、店員が注文を取りに来て飲食も運ぶフルサービス型の喫茶店が復活しています。私は以前から「同じ人がその日の気分で店を使い分ける時代」だと指摘していました。

 一方で、冒頭で話したコンビニコーヒーが社会現象となり、朝の通勤時には会社近くの店で買い求めて職場に出勤する人も目立ちます。「コンビニコーヒー=1杯100円」も定番となりました。しかも、コーヒーの多くは自宅で飲まれており、専門店や通販のコーヒーを買う人も多い。業界内外にライバルが増えたなか、今後どんなカフェが生き残ると思いますか。

鈴木 これからは、基本をしっかりやる店が生き残れる時代でしょう。ここでいう基本とは、飲食の味、価格、接客サービス、店の雰囲気といったものです。たとえば、お客さまに喜ばれる店づくりには「5S」(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)も欠かせません。