2014年11月7日から9日までの3日間、米カリフォルニア州北部ナパバレー(Napa Valley)において、実りの秋にふさわしいカンファレンス「reThink Food」が初めて開催されました。
このカンファレンスは、世界屈指のデジタル技術研究機関であるMITメディアラボ(MIT Media Lab)と米国の料理専門教育機関カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(The Culinary Institute of America、以下CIA)との提携によって実現したもので、研究者・科学者・デザイナー・シェフ・起業家・ジャーナリストのほか、テクノロジー業界、食品業界、外食業界など、業界の垣根を超え、300名以上が参加。各界のキーマンによるプレゼンテーションやパネルディスカッションを通じて、テクノロジー・デザイン・消費者行動の視点から、文字通り「食について、改めて考える(rethink food)」場となりました。
インターネットやスマートフォンをはじめとするテクノロジーの進化は、私たち消費者の食との関わり方に大きな変化をもたらしてきました。グルメ情報サイトの口コミ情報を参考にレストランを選んだり、美味しい料理をスマートフォンで撮影してソーシャルメディアネットワークでシェアしたり、オンライン動画でレシピを学んだりと、食を経験として楽しみ、その経験や情報を他者と共有し合う機会が増えています。
テクノロジーを活用したツールやプラットフォームがさらに充実することで、今後もこの傾向は続くとみられており、消費者市場を専門とする調査会社ハートマングループ(The Hartman Group)のメリッサ・アボット氏(Melissa Abbott)は、「消費者は、いわば、コンシューマーからプレイヤーへと変化し、ますます食への関わりを強め、参加しようとするだろう。」と分析しています。