[ボクシング]
杉浦大介「亀田和毅、アメリカでの未来を考える」

スポーツコミュニケーションズ

売り出しやすい“3兄弟”

 報道によると、この新テレビ興行シリーズにヘイモンは自ら2000万ドルを投資するという。多くのカードは姉妹局のNBCスポーツ(ケーブル局)で放映されるが、少なくとも4興行は地上波NBCで中継される予定。このプランが順調に進めば、最近はほぼケーブルテレビ限定のコンテンツだったボクシングが、近未来、本格的にアメリカ地上波に戻ってくることになる。

「(ヘイモンは)自身の契約選手をHBO、Showtimeから取り除こうとしている」
 東海岸の有力プロモーター、メインイベンツ社のキャシー・デュバ氏はそう語り、この新シリーズの計画を裏付けている。

 HBO、Showtimeといったメガケーブル局の資金援助なしに興行を続けられるかどうかに疑問は残るが、いずれにしても、自前のテレビ興行シリーズには選手の頭数が必要。最近のヘイモンが、和毅をはじめとするアメリカでなじみの薄いボクサーも支配下に収めていた理由は、これで説明がつく。

「アメリカでのプロモーション、マネージメントは全部、アル・ヘイモン。代理人のチームと何回も話しているし、試合終わって、改めて今日か明日かに話あると思う。アメリカでチャンスをつくっていってくれるという話もしてくれている」

興毅は4ラウンドTKO勝ち。内容もまずまずだった。

 シカゴでの興行で1年ぶりの復帰戦を飾った長男の亀田興毅にヘイモンとの関わりを聴くと、そんな答えが返ってきた。一部の噂通り、ヘイモン傘下に収まるのは三男だけではない模様。だとすれば、近い将来、3兄弟の登場するカードがNBC系列で組まれても、もう誰も驚くべきではないのだろう。

 世界的にも珍しい“ボクサー3兄弟”は、実際にアメリカのプロモーターにとっても売り出しやすい“商品”である。彼らが諸事情により、母国で試合ができなくなったプロセスは理解されておらず、マイナスイメージはない。そして、軽量級ゆえに比較的安価な投資で済むことも考えれば、亀田兄弟はヘイモンの新シリーズにとって、おあつらえ向きの駒であると言ってよい。

 もっとも、本場のファンの目はごまかせず、亀田兄弟も今後は実力、商品価値の両面でアピールし続ける必要がある。目玉になるのは、やはりブラザーズの中でも毛色の違うスキルと身体能力を持つ和毅に違いない。2人の兄のこれ以上の伸びしろは疑問視されるだけに、三男に課される責任は重い。