技術革新を重ねた、175年の歩み

現在の時計界において、世界最高峰の名を欲しいままにするパテック フィリップが、創業175周年を迎えた。そして、去る10月13日、スイス・ジュネーブにある本社で、その歴史と時計の偉業を振り返る、壮麗な記念イベントが開催された。

当初からの高い技術

Ref.96 1932年に発売されたカラトラバのファーストモデル。6時位置にスモールセコンドを配した優れたデザインは、時代を超えて現在も続くロングセラーとなった。ケース径は32㎜。
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  では、1世紀以上にわたり世界のトップに君臨するパテック フィリップは、どこがスゴいのだろうか。

 ロンドン万国博覧会での受賞が名声を高めたことでもわかるように、パテック フィリップは19世紀半ばには、すでに高い技術を要していた。その証拠に、もうその時代には現在は一般化しているリュウズによる巻き上げ・時刻合わせという画期的な機構を開発しており、さらに超複雑機構といわれるミニッツリピーターも製作されていた。

 近年でも、最高級スイス機械式時計の証とされる品質規準「ジュネーブ・シール」をすべての製品が取得していた。認証を受けた全製品の95%以上がパテックフィリップのものであったというのだから圧倒的である。現在は、検査規準をさらに引き上げ、ムーブメントだけでなく、外装やアフターサービスまで拡げた独自の認証マーク「パテック フィリップ・シール」を設立し、いままで以上に厳しい姿勢で時計づくりを行っている。

 それは人の目につかないほどの細部にまで徹底的に注意を払い、時間を度外視して製作されることで成立する。何年かかろうと、納得のいく完成度が得られるまで品質管理が行われるのである。だからこそ、誰もが納得できる仕上がりとなるのである。

 さらに、不変のデザインである。時代の移り変わりにより、ケース径などディテールの変更はあるが、基本的にはオリジナル・モデルをほぼ踏襲している。とくに1932年に発売されたブランドを代表するロングセラー「カラトラバ」は、バウハウスのシンプルなデザイン哲学に基づいてデザインされており、リモデルする必要がないほどの完成度で、現在もパテック フィリップの顔として、高い人気を誇っている。