[アイランドリーグ]
香川・伊藤秀範コーチ「寺田、入野、山本、篠原がNPBで活躍するために」

スポーツコミュニケーションズ

先発で投球術覚えた入野

シーズンではリーグ最多の16勝。ポストシーズンも4戦4勝と勝負強さも示した入野。

 今回のドラフトでは寺田、篠原以外に徳島の入野貴大(東北楽天5位)、山本雅士(中日8位)と、すべてピッチャーが指名されました。入野は今季、先発に転向した結果、ムダな力が抜け、バランスが良くなりました。長いイニングを投げるべく、バッターをよく見て攻めどころ、抜きどころを使い分けられるようになり、投球術も身につけましたね。

 ひとつアドバイスをするなら、ヒジの使い方。もう少しヒジのしなりを使って放れると、球質がワンランク上がるはずです。バッターも球の出どころが見にくくなるでしょう。

 山本は1年目の昨季は練習生だったこともあり、初めて見たのはオフの高知でのウインターリーグでした。その時からフォームに躍動感があり、いい腕の振りをしていると感じました。体重移動もうまく、低めのボールに伸びがあります。

 21歳と若く、体を鍛えれば、近い将来、又吉克樹と元アイランドリーガー同士で中日のブルペンを支える存在になることも可能でしょう。ストレートのみならず、カットボールにも磨きをかけ、安定感を出すことが、今後の課題です。

 こうしてリーグからは4投手をNPBに送り出すことになり、彼らに続く素材を、トライアウトなどを通じて探しています。ただ、今年に関しては、NPBでも“不作”と言われ、逸材が少なかった影響か、選手集めは例年より苦戦中です。元NPBや外国人も補強してチーム編成をすることになるでしょう。

 すぐにNPBに行ける選手が出てこないなら、3年くらいかけてドラフト指名を受けるような原石を発掘したいものです。このリーグで通用するかどうか、といった短期的な視点ではなく、「もしかしたら化けるかもしれない」という観点でトライアウトに受験する選手はチェックするつもりです。

 特にサウスポーや球に力のあるピッチャーは、ちょっとしたきっかけで変わる可能性があります。リーグ在籍7年で夢を叶えた篠原や入野のように、徐々にステップアップして指名を勝ち取れそうなピッチャーに、ひとりでも多く出会えることを楽しみにしています。

伊藤秀範(いとう・ひでのり)プロフィール>:香川オリーブガイナーズコーチ
1982年8月22日、神奈川県出身。駒場学園高、ホンダを経て、05年、初年度のアイランドリーグ・香川に入団。140キロ台のストレートにスライダーなどの多彩な変化球を交えた投球を武器に、同年、12勝をマークして最多勝に輝く。翌年も11勝をあげてリーグを代表する右腕として活躍し、06年の育成 ドラフトで東京ヤクルトから指名を受ける。ルーキーイヤーの07年には開幕前に支配下登録されると開幕1軍入りも果たした。08年限りで退団し、翌年は BCリーグの新潟アルビレックスBCで12勝。10年からは香川に復帰し、11年後期より、現役を引退して投手コーチに就任した。NPBでの通算成績は5試合、0勝1敗、防御率12.86。
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