[アジアパラ競技大会]
ゴールボール女子、中国に黒星スタートも次戦につながる意地の1点

スポーツコミュニケーションズ

予想外の布陣しいた中国

 ところが、そのわずか1分後には若杉がハイボール(攻撃側から投球されたボールの1バウンド目が、決められたエリア内よりも前だった場合のパーソナルペナルティ)をとられ、中国にペナルティスロー(反則をおかした選手ひとりで守備をする1対1での勝負)を決められてしまう。江黑HCが中国にノイズの反則(攻撃側のチームが投球する際に、音を出して守備の邪魔をすること)があったのではないかと抗議するも、これは認められなかった。

 中国に対して早い時間帯での2点のビハインドは、日本にとっては大きな痛手であることは間違いはなく、出鼻をくじかれ、集中力が切れてもおかしくはなかった。しかし、選手たちの様子に、ネガティブな雰囲気は感じられなかった。

 日本の戦略ははっきりしていた。狙いは、相手センターにあった。もともと中国は、センタープレーヤーからの攻撃が強い。そのため、日本はまずはセンターを崩すことで自分たちに流れを引き寄せ、突破口を開こうと考えていた。

 そのカギを握った相手センターに、驚きの事実が発覚したのは試合当日のことだった。センターに入ったのは、ロンドンまでレフトプレーヤーの選手だったのだ。

「選手村に入った時に、その選手と久々に会いました。ロンドン以降は代表から外れていたのですが、この大会で復帰していたんです。代わりにアジアカップ、世界選手権での正センターが外れていた。いったい誰がセンターをやるんだろう、と思っていたら、彼女がセンターを務めることがわかったんです。彼女はウイングで使うと思っていて、他の選手のセンターを予想していたので、正直驚きました」(江黑HC)
 強いボールを投げられる選手をセンターに置くことで、中国はより攻撃的な布陣をしいてきたのである。そして、それが前半の得点に結びついたのだ。