[虎四ミーティング~限界への挑戦記~]
掛布雅之(野球解説者)<後編>「人知れず苦しんだ“阪神の4番”」

スポーツコミュニケーションズ

選手を信じて“何も言わない勇気”

二宮: 掛布さんにとって、尊敬する指導者と言えば、やはり山内さんと中西さんということになるんでしょうか?
掛布: 僕のプロ野球人生に、そのおふたりは欠かすことはできませんね。それと、もうひとり、遠井吾郎さんも印象深く残っています。

二宮: 遠井さんと言えば、温厚な性格で「仏の吾郎さん」と呼ばれ、後輩にも親しまれていました。
掛布: 山内さんが退団されて、翌78年にコーチに就任したのが遠井さんでした。その年、僕はシーズン途中で頭に死球を受けて、3割2分か3分あった打率が、一気に2割8分くらいまで下がったことがあったんです。でもね、周りは打率が下がった要因を死球だとは思わないわけです。

二宮: 何が理由だと?
掛布: 「遠井がバッティングコーチになったから、掛布は打てなくなったんだ」と言われたんです。

二宮: その前の山内さんと比較されたんでしょうね。
掛布: ところが、そんなふうに言われても、遠井さんは僕に何もしようとはしなかった。普通なら、躍起になって僕に指導しようとしますよ。汚名返上したいですからね。でも、遠井さんは何も言わずに黙って僕の練習を手伝ってくれるだけ。僕がナイターに備えて「11時くらいから練習します」と言ったら、遠井さんは僕よりも早く来て、室内練習場でマシンの準備をして待っていてくれました。そして、1時間くらい黙々とボールをマシンに入れてくれる。それを4、5日くらい続けた時に、ようやく1本ヒットが打てたんです。ピッチャーの頭上を越えたボテボテの内野安打でしたけど、それをきっかけに、また打率を3割に戻したんです。

二宮: 遠井さんはなぜ、何も教えようとしなかったのでしょう?
掛布: その時、遠井さんにこう言われたんです。「カケ、オマエは3割バッターだぞ。そのオマエにオレが何を言える? ただオレはオマエの手伝いをしてあげることしかできんぞ」と。つまり、遠井さんは僕を信じてくれたんです。その時、「何も言わない勇気を持てる遠井さんこそ、もしかしたら一番強いコーチなのかな」と思いましたね。再び3割を超えた時の遠井さんの喜んだ顔は忘れられません。

二宮: さて、「白髪ねぎ牛丼」はいかがでしたか?
掛布: いわゆるすき焼きのような甘さだけじゃなくて、白髪ねぎが添えられているので、さっぱり感があって、後味がすごくいいですね。お肉もやわらかくて、しっかりと味がついていて美味しい。

二宮: ご実家が料理屋の掛布さんが言うのですから、間違いないですね。
掛布: 本当に美味しいですよ。僕が一番驚いたのは、ご飯です。やっぱり丼ものにとって、ご飯というのはとても大切ですからね。ご飯がこれだけ美味しいから、お肉やねぎ、出しとのバランスがとてもよくとれている一杯になっているんだと思います。復活するくらいの人気メニューというのもうなづけますよ。

(おわり)

掛布雅之(かけふ・まさゆき)
1955年、新潟県生まれ。74年、ドラフト6位で阪神入団。高卒1年目で開幕一軍入りを果たし、76年から正三塁手として定着。79年にはチーム新記録 で本塁打王に輝き、82年・84年にも同タイトルを獲得。「ミスタータイガース」の愛称で親しまれる。85年は、3番バース、5番岡田彰布とともにクリー ンアップを形成し、リーグ優勝・日本一に貢献。88年に引退。その後は主に解説者として活躍。2014年は阪神GM付育成&打撃コーディネーターに就任した。

☆本日の対談で食べた商品☆
白髪ねぎ牛丼


 9月25日より、「白髪ねぎ牛丼」が復活発売致しました。
「白髪ねぎ牛丼」は、2011年4月の発売から2013年5月まで、レギュラーメニューとして大人気の商品でした。販売終了以降もお客様からの復活を願う声をたくさんいただき、今回その熱いご要望にお応えしての復活です。
 牛丼の上にたっぷりの白髪ねぎをのせ、醤油ベースのゴマ油が香る「すき家」オリジナルのタレと、ピリッと辛い黒胡椒をふりかけて仕上げました。シャキシャキの白髪ねぎは、牛丼との相性抜群です。
 復活を待ち望んでいたお客様も、初めてのお客様も、この機会にぜひお召し上がりください。
※こちらの商品はお持ち帰りもできます。

(対談写真:金澤智康、構成:斎藤寿子)

協力:すき家本部