「日本の技術」で社会を変える!
エンジニアたちの新興国奮闘記【前編】

海外でビジネスチャンスを広げながら社会にも貢献する日本企業が増えている。      ベトナムで大詰めを迎えつつある、二つの「日本式」プロジェクトを追った。
ハノイの道路の問題は渋滞だけでなく、交通ルールの無視も大きい


 西日本鉄道の熊井強(40)はサービス改善の担当だ。初めてハノイでバスに乗ったときは、驚きの連続だった。

「運転手が大音量で音楽を流しているので、アナウンスが聞こえないんです。車掌が家族からお弁当を受け取るために停車したり、なんでもありの世界でした(笑)」

 乗務員のサービス改善のため接客指導のマニュアルを作成しているが、内容に理解を得るのは難しいという。

「日本のようなおもてなしの精神がないので、最近は、逆に、僕たちが少数派なのかなと思うようになりました」

 紆余曲折の末、10月6日に正式にパイロット事業が始まった。プロジェクトは評価が行われた後、来年の5月に終了予定だ。だが、すでに市は継続に意欲的。うまくいけば、ハノイで日本のICカードがそのまま使える、そんな日がくるかもしれない。大らかなベトナム人と働く苦労話はつきないが、高木は帰国するとベトナムが恋しくなるという。

「エスカレーターに乗るときはどちらか一方にみんな一列に並ぶし、交通機関は少しでも遅れると平謝りのアナウンスが入る。逆に日本はやりすぎではないかと感じてしまうんです」

 高木はこのプロジェクトを機に、日本企業のベトナム進出を後押ししていきたいと語る。そして、「日本人にはワイルドに海外で活躍してほしい」と願っているという。

後編はこちら

提供:外務省 www.mofa.go.jp/mofaj/