[BCリーグ]
新潟・青木智史「悔いなき野球人生、すべてをかけた最後の1年」

スポーツコミュニケーションズ

ファンの支えあっての7年間

 オフからしっかりと準備をし、「やるべきことはやってきた」という気持ちで、今シーズンの開幕を迎えました。しかし、春は調子が上向かず、6、7月の一番苦しい時期には正直、「早くシーズンを終わらせたい」「早く野球が人生終わらないかな」と考えたこともありました。それでも最後まで力を出し切ることができたのは、やはり応援してくれたファンの支えがあったからにほかなりません。

 ファンの皆さんとの思い出は本当に数えきれないほどありますが、なかでも忘れることのできない出来事があります。小学生の時から僕を応援してくれ、球団が主催している野球塾にも通っていた、あるひとりの男の子がいました。その子が僕にお守りをくれたことがあったのです。そして、後で親御さんがそっと渡してくれた手紙には、そのお守りのいきさつが書かれてありました。

 実はそのシーズン、僕はスランプに陥り、なかなかヒットが打てない日々が続いていました。それが自然と表情にも表れていたのでしょう。新潟ではホームでの試合後には必ず選手が球場前に並び、ファンを見送るのが恒例となっています。その時にファンの皆さんと話ができたりするのですが、その時はどうやら僕は近づきがたいオーラを出してしまっていて、その子は話しかけることができなかったのだそうです。それなのに、その子は不調の僕を心配し、東京に遊びに行った時に神社に寄り、打撃開眼の祈祷をしてもらったお守りを、僕のために自分のお小遣いをはたいて購入してきてくれたというのです。

「こんなに自分のことを応援してくれているんだ……」。その時の感動は忘れることができません。親御さんからもらった手紙は今も大切に持っています。BCリーグには「地域と、地域の子どもたちのために」という憲章がありますが、その時改めて僕たち選手が子どもたちに与える影響力の大きさ、そして自分たちの使命感というものを強く感じました。