【WORLD REPORT】
未来を明るく照らす「8つのプロジェクト」
日本の「匠の技」が、世界を笑顔にする!

国際協力の最前線で広がる日本ならではの技術が、世界と日本の明日を変えていく。

提供:外務省 www.mofa.go.jp/mofaj/
Text by COURRiER Japon

【解説】大野 泉 
政策研究大学院大学教授。専門は経済開発、開発援助政策、国際協力。
国際開発動向の分析や東アジアの開発援助経験の対外発信、ODA改革に向けた提言を取り組む。

縫製を教える職業訓練が女性たちの未来をつむぐ

裁縫コースの教室では、足踏みミシンがカタカタと鳴る懐かしい音が響きわたる

ナイジェリア/JICA専門家派遣

 ナイジェリアでは女性の進出を促進しようと、政府主導で80年代に「女性センター」が全国に700ヵ所以上も設立された。識字教育や職業訓練を目的としていたが、あまりに数が多すぎて管理が難しくなり、大半が機能しなくなった。そこで、95年に全国の女性センターを管轄する本部を設立。組織の管理運営を見直すため、10年前からJICAの専門家チームが指導に当たっている。

 その一人である甲斐田きよみは、アフリカの女性支援のために20年以上働き続けている。甲斐田が担当するセンターの一つ、ナイジャ州にあるパイコロ女性センターで、職業訓練を受ける女性は約80人。コースでは、主に縫製、編み物などの手仕事を教えている。ナイジェリアの女性の服はほとんどがオーダーメイドなので、縫製の仕事の需要は多い。

「女性が家でも働ける縫製の職業トレーニングは、現地の状況にぴったりです」(大野)

 州女性省の局長は「今後もニーズにあわせたコースを作っていきたい。我が国の未来には女性の力が必要です」と顔をほころばせる。
 

美しく生きるために美容と健康の知識を共有

現地企業の女性販売員と協力しワークショップを行っている [Photo]SHISEIDO

バングラデシュ/資生堂

 女性が働くことがまだ珍しかった時代に、資生堂は美容部員の前身「ミス・シセイドウ」の職で女性を雇用し、その社会進出を後押しした。2013年から、同社はODAを活用し、バングラデシュのBOP(貧困層)の女性を対象にした現地での支援活動を行っている。首都ダッカのスラムでも、女性たちはみなヘアオイルを使い、身だしなみに余念がない。キレイでいたいとう女性の願いは世界共通だ。

 あわせて現地企業と協力し、スキンケアの方法を教えるワークショップも開催。実際に同社の製品を試した参加者たちからは、「気持ちいい!」と嬉しそうな歓声が上がった。また、製品の使いかただけでなく「家畜を触ったら手を洗う」、「油を控えて野菜をとると肌にいい」といった衛生面や食事の指導も行っている。資生堂の取り組みが、今後もバングラディッシュの女性の笑顔を増やす。

「美容と健康に関する知識を教えることで女性の生活向上に貢献するプログラムです。今後、参加者の中から、資生堂の美容部員として働きたいという女性が出てくるかもしれませんね」(大野)