第3回ゲスト:宮嶋茂樹さん (後編)
「南極観測隊のリアル---昭和基地の"エロ文化コレクション"は、一見の価値アリです」

島地 勝彦 プロフィール

スコットとアムンゼンを巡る、シマジ的考察

日野 数年前に『南極料理人』という映画が話題になりましたが、食事は案外ちゃんとしているようですね。

宮嶋 楽しみといえば食べることだけなんで、料理人は同じものが続かないように気を使っていましたね。ぼくが行ったときはちょうど、あの映画の主人公のモデルになった人と一緒だったんですよ。

料理人は他にもいて、京都の料亭の板前、東条会館のシェフの3人体制でしたから、和食から洋食までなんでもありです。ぼくなんか、内地にいるときよりいいものを食べていたかもしれません。特に刺身はほんとうにうまかった。

島地 また行ってみたいとか?

宮嶋 いやいや、一度経験すればもう十分です。そう考えると、防寒具は毛皮、移動は犬ぞりしかない時代に南極点を目指した昔の探検家たちには敬服しますね。

島地 スコットとアムンゼンの話は本で読みましたけど、ほんとうに壮絶な世界で、今なら宇宙に行くようなものですよ。スコットが南極点に着くと、そこにはノルウェーの旗が立っていて、「おれが帰りに死んで、お前が生き残ったら、おれが先に旗を立てたことを伝えてくれ」というアムンゼンからのメッセージが残っていた。

日野 結局、スコットは途中で亡くなってしまう。子どもの頃に読んで泣きました。

島地 ずいぶん涙腺が弱いんだな。まあ、これはわたしの勝手な想像ですが、アムンゼンが生き残り、スコットが死んだのには理由があると思います。

宮嶋 そういう話は初めて聞きます。

島地 アムンゼンはノルウェー人で、食糧が尽きたときに最後の手段として犬の肉を食べられた。スコットはイギリス人で、それができなかった。犬の肉を食べたかどうかが、生死の分かれ目だったんじゃないでしょうか。

宮嶋 なるほど、そういう考え方があってもおかしくはないですね。