「老後破産」200万人の衝撃 「破産する人」「しない人」ここが分かれ目だった

65歳以上の16人に1人が直面する
週刊現代 プロフィール

万引きは窃盗罪、無銭飲食は詐欺罪になりますが、初犯だと逮捕されても罰金刑で釈放されることがほとんどです。でも、貧困状態のままだと同じことの繰り返しになる。そのうち裁判所も「もう社会の中で生活できない」と判断しますから、刑務所に入ることになる。しかし、半年、1年と刑務所生活が続くと、出所した時に帰れるアパートもなくなってしまう。そこから生活を再建するために必要なコストが一層増えることになるんです。

だから貧困問題というのは早期発見、早期介入が原則なんですが、難しいのは外見からは困窮しているのか否かを見分けることができないことです。最近は衣料品も安いので、貧困層の人でも見た目はこざっぱりしている人が多い。背広を着ていながら、「実はネットカフェで寝泊まりしています」という高齢者もいますからね。

結城 だけど、本当は高齢者の貧困問題というのは存在しないはずなんです。なぜなら、事実上就労が困難である65歳以上で困窮状態にある人なら、生活保護を受けられるんですから。

藤田 本当にその通りだと思いますけど、問題は二つあります。一つは、彼らが持っているプライド。とくに高齢の方に多いのは、他人の世話になってはいけないという道徳観が根強くある。

「生活保護受給者となるのは恥だ、お上の世話にはなりたくない」と思う人も多いですし、身近な人にも頼れない。

だけど、そのままでは生活が破綻するし、中には栄養状態が悪化して健康を損なう人もいる。

 

結城 私は若者の貧困問題は、当事者の甘えも半分はあると思っているんですが、お年寄りに限っては、生活保護の受給は権利であるという認識がもう少し必要なんだと思います。そうしないと、憲法第25条で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」が保てません。

藤田 老後破産のもう一つの問題は、窓口となる福祉事務所の対応です。

結城 わざと生活保護を受けさせなかったり、いい加減な職員が門前払いをしているのが実態ですからね。

藤田 ええ、持ち家のような資産を持っている人の場合、扱いが非常に厳しくなるんですね。

相談に来られる方というのは、古くてボロボロになった家に住んでいる人が多いんですが、自宅を売却しようと思ってもおそらく買い手はつかないような物件です。それでも役所では「生活保護は資産を売ってからです」と言うところがまだまだ多い。

結城 本来、ローンがなくて資産価値が一定基準以下で、生活に利用している持ち家であれば、売却する必要はありません。

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