「老後破産」200万人の衝撃 「破産する人」「しない人」ここが分かれ目だった

65歳以上の16人に1人が直面する
週刊現代 プロフィール

結城 国民年金や無年金の人だけではなく、サラリーマンで厚生年金をもらえる人でも困窮する人は少なくないはずです。

藤田 以前、相談にのったおじいちゃんは、65歳までの40年間、町工場で働き続けながらコツコツ貯金もしていました。引退後は、「貯金もあるし、年金も入ってくるから大丈夫だろう」と思っていたけど、75歳くらいから貯金が目に見えて減り、そのうちアパートの家賃が払えなくなって、78歳になったときに家賃滞納を理由にアパートを追われてしまったんです。

結城 決して贅沢をしていたわけではなくても、気づいたら貯金が目減りしていたということはありえます。定年後は、収入は確実に下がるわけですから、現役時代と変わらない生活習慣を続け、生活のレベルを下げられない人—これも破産に陥る一因でしょう。

 

藤田 うまくやりくりしていけると思っていても、実際に年金が支給されると、「これだけ低いとは」と驚く人が少なくないんですね。

このように中小企業のサラリーマンはもともと給料が低いので、現役時代の報酬に比例する年金支給額も少ないのですが、かつて高額の給与をもらっていた銀行員のような人でも生活が破綻してしまう場合もあります。

ある元銀行員は、定年後に事業を始めるためのタネ銭として、年金担保融資で数百万円もの多額のおカネを借りていたんです。

ところが、事業を始める準備をした形跡がなかった。借りたおカネはどこに消えたのかと思って調べてみたら、食品やお酒のレシートがわんさか出てきたんですね。どうやら周囲の人に配っていたようで、結局破産してしまった。

おかしいと思って家族が病院に連れて行って診察してもらったら、若年性の認知症だったということが発覚しました。本人も周囲も気付かないうちに認知症の症状が進んで、おカネの管理ができずに貧困化してしまう人も少なくないんです。

それから、悪徳商法やオレオレ詐欺の被害にあったことをきっかけに、貧困状態に陥ってしまう人もいます。そういう意味では、誰もが老後破産に陥る危険性があるわけです。

プライドが邪魔をする

結城 社会の高齢化は急ピッチで進みますから、このままでは社会秩序が崩壊しかねません。実際、貧困から来る高齢者の犯罪も増えていますからね。

藤田 そうですね。高齢者の犯罪の増加は肌身で感じています。多いのは万引きですが、やはり貧困が原因になっているものが圧倒的です。万引きする商品も弁当3つだったりしますから、明らかに生きるために盗んでいる。

もう一つ増えているのが無銭飲食です。牛丼店やカラオケボックスで大量に食べ、支払いの段になったら「警察を呼んでくれ」と。

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