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佐々木 情報発信するメディアで言うと、テレビCMなんておもしろいですよね。「テレビCMはもうダメだ」という意見があれば、テレビCM最強論を唱える人もいる。お二人はテレビCMはこれからどうなっていくと思いますか?
本田 完全になくなるわけはないんですよね。お金はかかりますけど、少なくとも当面は最強の媒体だと思います。イメージとしては、過去は最強のドライバーがあって、その周辺にいろんなおまけがコチョコチョあるという感じでした。でも最近は地殻変動が起こって、むしろその周りのおまけで中心の穴をどう埋めるのか、NewsPicksみたいなメディアも含めてどういう風に使っていくかという話があります。考え方の順番というか、それこそマインドセットが変わっているような気がしますよね。
田端 LINEなんかは典型的にそうだと思うんですけど、テレビCMはバーベキューで例えると「種火がついた後にあおぐウチワのようなもの」なんですよ。種火がついていないのにあおいだってしょうがないということです。ある程度の種火人数があるからテレビCMによって加速するんです。ローンチした瞬間にLINEみたいなところがテレビCMを打ったところで絶対にお金のムダになります。ある一定のスケールまで種火がそろった時に、成果をジャンプさせるためにこそテレビCMが必要であって、テレビCMだけをやれば、ぐわんぐわんフォローが増えるかというとそうでもない。その手前の種火を育てる部分が大事なのかなと思いますね。
本田 テレビCMは15秒~30秒なので、なかなかそれだけで機能させるのは難しいですよね。でも、例えばLINEの話をすると、ネットで火がついたり、他の媒体から何となく入ってきている情報がある。そういう下準備できている時にパッとCMを見て「ああ、LINEってテレビに出るくらいメジャーなんだ」と感じるというのはあると思います。
佐々木 NewsPicksも広告をやっているんですけど、「30代の意識が高い人たちにリーチできている」という点が高評価をもらっています。新聞やテレビは50~60代の方にリーチしているし、ネットは10代~20代にはリーチしている。つまり、一番人口が厚くて影響力のある30~40代の人、その人たちにリーチできる媒体が世の中から減ってきている気がするんですよね。今はその年代の人たちにリーチしたい人が多いと思うんです。LINEとかもそうなのかもしれないし。その辺りはどう思われますか?
田端 そこの層って、最も忙しくてリテラシーも高いという層でもあるわけじゃないですか。だから、お金さえ払えば解決できるというところじゃなくなってるんじゃないかなと思います。
佐々木 「お金で解決」というのは、マーケティング的にいっぱい金を出せばOKということですか?
田端 はい。「この枠を買えばいい」という問題じゃなくなってきている。
佐々木 確かに、従来型のマーケティングが全く通用しなくなっていますよね。
企業発信の情報よりも、売るための世論=空気をつくることが大事と説く『戦略PR』の著者・本田哲也氏と、数々のメディア立上げに携わり、現在大ブレイク中のLINE仕掛人としても知られる田端信太郎氏がタッグを結成。大々的な広告キャンペーンやメディア展開をせずに人を動かすことに成功した事例を、1000人、1万人、10万人、100万人、1000万人、1億人、10億人と、スケールごとに分析。そのヒットの秘密を探っていきます!
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