[ボクシング]
杉浦大介「メイウェザー、2015年の対戦相手は?」

スポーツコミュニケーションズ

知名度低いサーマン、実績必要なガルシア

キース・サーマン(アメリカ/WBA世界ウェルター級暫定王者/23勝(21KO)1無効試合)
ダニー・ガルシア(アメリカ/WBA・WBC世界スーパーライト級王者/29戦全勝(17KO))

 好戦的なスタイル、パワー、明るいキャラクターをすべて備えたサーマンは、未来のスーパースター候補と目されるようになった。身体能力に裏打ちされた爆発力は魅力的で、鈍りの見えてきたメイウェザーとの対決はスリリングになりそう。

 ただ、現時点ではまだ一般的な知名度が低過ぎるだけに、メイウェザー戦はスーパーファイトにはならない。“ハイリスク、ローリターン”の一戦はメイウェザーが最も嫌うところであり、来春に挙行するとは思えない。サーマンはまずは層の厚い同階級でビッグネームに勝ち、存在感を高めることが先決だろう。

ダニー・ガルシア(右)と父(トレーナー)がメイウェザー相手にどんな対策を練ってくるかも楽しみだ。

 このサーマンよりも、ルーカス・マティセ、カーン、ザブ・ジュダーといった人気選手を下してきたガルシアの方が、早い時期にビッグファイトの相手に起用される可能性は高い。スピード、追い足不足ゆえにメイウェザーとの相性は良くないだろうが、一撃必倒の左フックに一見の価値はある。

 ただ、このガルシアはウェルター級での実績はゼロ。近々転級するとしても、来年5月にいきなりメイウェザー挑戦は厳しく、早くても1年後の9月ではないか。

リスク高すぎるミドル級転向

ピーター・クイリン(アメリカ/元WBO世界ミドル級王者/31戦全勝(22KO))

 パッキャオ戦以外に世間一般の話題を呼ぶことがあるとすれば、メイウェザーが6階級制覇を狙ってミドル級進出を企てた場合だろう。ミドル級最強のゲナディ・ゴロフキンに挑むドリームマッチはあり得ないが、決して難攻不落には思えないクイリンなら攻略は可能。同じアル・ヘイモン契約下だけに、その気になれば試合成立は容易なはずだ。

 WBO王座を3度防衛したクイリンだったが、新興プロモーターが次期指名試合の興行権を落札したこともあって、9月中にタイトルを返上。ただ、年内にもWBA王者ダニエル・ジェイコブスに挑戦が濃厚という。ここで勝って首尾良くタイトルホルダーに戻れば、メイウェザーの視界に入る可能性が出てくる。

 もっとも、マイダナ再戦を見る限り、メイウェザーは体力的に全盛期を過ぎた感が否めない。それだけに、このタイミングでのミドル級進出は少々危険過ぎるアドベンチャー。慎重なマッチメークが目立つメイウェザーが、そんなリスクを犯すことは想像し難いのも事実ではある。

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを 中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の 媒体に記事、コラムを寄稿している。この3月に最新刊『MLBに挑んだ7人のサムライ』(サンクチュアリ出版)を上梓。
>>オフィシャルサイト「スポーツ見聞録 in NY」
>>twitter