教育・退職・介護という3つの課題を抱える「トリレンマ世代」---資産準備のために知っておくべきこと

『日本人の4割​が老後準備資金0円』第2章より

祖父母世代も自助努力が必要

もちろん祖父母の世代は、自分の介護費用を自分で用意する自助努力が求められます。孫が生まれた60代からでも遅くはありません。祖父母の世代は、子育て中の親たちの世代に極力介護負担をかけないようにするために、その時点からでも資金面でできるかぎりの準備を行うべきでしょう。

現状の年金制度は、現在の60代にはまだまだ手厚いほうです。しかし、子育て中の親たちが年金を受ける時期まではまだ30年くらいあるはずです。その間にも負担増、給付減の方向に進みそうですから、今のうちからそうした状況になっても何とかなるだけの資産基盤を厚くしておくことが求められます。

なるべく介護を受けないで済むように健康年齢を長く保つ努力をすること、万一介護が必要になっても子供の世代に負担をかけないように資産を増やす努力をすること、少しでも生活費の安い地域での生活を考えることなど、自助努力をできるだけ積み重ねることが大切になります。

男性の2割が一生結婚できない!?

2012年に、男性の生涯未婚率が2割を超えたというニュースが話題になり、驚いた記憶があります。読者の中にもご記憶の方が多いのではないでしょうか。「男の2割が一生結婚できないのか」と妙な落胆を覚えたのですが、実態をみていくと必ずしも表層的なものでもなく、また男性の問題だけでもないことがわかってきました。

そこで、ちょっと一緒に「男性生涯未婚率20%突破!」の裏側をみていきましょう。

女性も50代で2割がシングルズ

国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2012年版」によると、2010年の生涯未婚率は男性で20.14%、女性で10.61%と、初めてそれぞれ20%台、10%台に乗りました(図表10)。ここで、まず生涯未婚率というのはどんな数値なのかを理解しておきましょう。45-49歳の未婚率と50-54歳の未婚率の平均値をとって、50歳時点での「それまでに一度も結婚をしていない人の比率=未婚率」を算出します。そしてこれをもって「生涯結婚しない人の比率」としているのです。

ちょっとお節介な表現のように思えませんか。50歳で未婚ならその後も結婚しないのか、というと必ずしもそうとはいえません。昔ならともかく、今は50歳を過ぎて結婚される方もいっぱいいます。ちなみに、2012年の男性の婚姻件数は全体で55.3万件でしたが、50歳以上の婚姻件数は再婚も含めて2万5514件、4.6%ありました。

この生涯未婚率という言葉の醸し出すさみしさみたいなものを議論することはさておき、このデータが教えてくれているのは、「50代で一人で生活する」人が思った以上に多い、ということです。

さらに詳しくみていきましょう。2010年における配偶関係別の人口数によると、50代男性の未婚者数は128.7万人、50代女性の未婚者数は61.0万人となっています。しかし、未婚者に離別と死別を加えた、いわゆる単独世帯の人数は、50代で男性189.3万人、世代全体の23.4%、女性169.9万人、同20.7%です。

女性のほうが相対的に死別者、離別者が多いために、男性でも女性でも、50代での単独世帯は全体の20%強となっていることがわかります。

単独世帯といっても、未婚、死別、離別と理由がまちまちですから、あえて英語で複数系を使ってこうした人々を「シングルズ」と命名しました。「50代シングルズ」とは、未婚なのか、離婚・死別なのかは問わず、50代で、独り身で過ごしている人たちを示す言葉と思ってください。

ちなみに、2013年に実施したサラリーマン1万人アンケートでも、総回答者1万1507人のうち、50代は3112人で、うち男性シングルズは341人、女性シングルズは453人いました。男女合計で50代全体の25.5%に達しています。

アンケートでも2割以上のシングルズがいることがわかったわけで、このデータを使って、50代シングルズの退職準備を深掘りしてみることにしましょう。