日本生まれの私が、英国オックスフォード大学に学部入学した理由

Road to Oxbridge オックスブリッジに憧れて〜学部編〜
オックスブリッジ卒業生100人委員会

全員ディスカッション形式の面接を突破してきたので、自分の意見や考えを述べられない学生の方が少数で、みなそれぞれ自分の中で情熱的になるトピックがあるようでした。ただの「国際交流」として日本人対外国人で付き合うのではなく、出身国や学問的な興味、宗教や政治についての思想を含め、人間同士深いレベルで分かり合うようなコミュニケーションが取れたことは、とても良い経験になりました。私は日本では物事について疑問を感じた時に、争いを避けるために無視してしまう傾向がありました。しかしオックスフォードでの日々のディベートのおかげで、問題点を発見したときにそれをいかに前向きに提起して改善するか、という思考力を鍛えることができたと思います。

オックスフォードでの経験を活かし、博士課程へ

卒業式の日、ラドクリフカメラ(図書館)の前で。取得する学位によって着るガウンが定められている。

オックスフォードの生化学では4年目に修士論文のための研究プロジェクトに取りかかります。私が在籍していた当時はその研究に3ヵ月というタイムリミットが設けられていたのですが、わずかな期間でもオックスフォード大学内の研究室に所属し、研究用の機材や試薬が十分にある状況を肌で感じ、世界のトップレベルである研究者に囲まれたというのは大変良い経験になりました。大学1年から3年までも毎週のように実験を行う機会があり、学士レベルの教育にも試薬代を惜しまないオックスフォードとして、他大学の友人から羨望の目で見られたものです。

在学時から実験のプロセスを楽しんだり研究成果にわくわくするという感情を持つことが出来たため、私が卒業後の進路として研究を選ぶのはとても自然なことでした。生化学、または分子生物学のどの分野に絞るかを決めるために2年半ほどロンドンの大学や国立研究所で研究助手として働いた後、やはり私にとって一番魅力的な分野は遺伝学だと気付きました。そして、特定の遺伝子の必要性を追究するのに便利であるショウジョウバエを扱う研究室に落ち着きました。

このように物事を分析し決断に至ることや、自身の研究内容を批判されたときに筋道を立てて論理的に反論出来るようになったのは、オックスフォードで培ったディスカッション力のおかげだと思います。ディスカッションの鍵であるConstructive Criticism(建設的な批判)を受けることと与えること、どちらもビジネスや人生において重要なスキルだと思っています。オックスブリッジで学んだ学生たちは日々の生活でその力を自然に身につけていくのではないでしょうか。

次回は、「Road to Oxbridge オックスブリッジに憧れて」シリーズ、修士編をお届けします。

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