『吹奏楽の神様』屋比久勲氏が47年間子どもたちに
実践してきた怒らない教え方(1)

屋比久 勲

くわえて、楽器をみんなにひいてもらうために、例えば10ドルの楽器を買ったら、生徒に「これ10ドルで買ったけど、7ドルで売るから買わんね?」という事を言いながら、保護者とお酒を飲んだりもしました。ひどいときには、1週間毎晩通ってお父さんを口説いたこともありました。今では懐かしい思い出です。

先生が勉強しないと、子どもは伸びないと思います。でも、私の目から見ても勉強不足の先生は多い。

吹奏楽にはいろいろ勉強することはありますが、やはり先生は指導法を勉強すべきではないかと思います。吹奏楽の指導、楽器の指導方法を勉強したらいいと思います。
多くの強豪校はパートごとに先生がいます。でも、僕がいた学校には昔も今も自分の他に誰もいない。みんな自分で教えないといけないから、だからこそ一生懸命勉強した。それがよかったと思っています。

勉強ということでいうと、僕は70歳を過ぎた今でも勉強をし続けることを心掛けています。
吹奏楽の勉強とは、具体的にはいい音楽を聴くことですが、それはCDでは難しいので、全国各地の演奏会に足を運んでいます。

もう一つが勉強会です。吹奏楽の勉強会は全国各地で開催されていて、できるだけ参加するようにしています。

僕が参加すると「先生、なんで来たのですか?」と言われることもありますし、内容的にも既に知っていることも多いですが、知っていることだけではなく勉強になるので参加しています。

また、全国の吹奏楽の有名な指導者が多く参加するので、彼らと話すだけでも勉強になります。

先日も静岡県の浜松市で日本吹奏楽指導者クリニックという吹奏楽指導者のためのイベントが開催され、それに参加してきました。

大人の参加費で2万円以上かかるので、なかなか参加するのも大変なのですが、それでも多くの指導者が参加していました。特に、全国大会で金賞を獲るような先生は多く参加されていました。
僕の実感では有名な先生ほど、こういった場には参加していると思います。

吹奏楽でも何でも、指導者が勉強し続けることが、子ども達を伸ばすためには必要だと思います。

普通の子どもたちをできる子にする 怒らない教え方』より

屋比久 勲(やびく・いさお)
九州情報大学教授。
1938年生まれ。沖縄県出身。琉球大学教育学部卒業。沖縄県垣花小・中学校で教諭をしているときに吹奏楽部を創設し、初めて顧問になる。その後、赴任した真和志・石田・小禄・首里の各中学校の「普通の中学生」をそれぞれ全国大会出場に導く。
また、真和志中学校を沖縄県として初めて全国大会金賞に導き、以降多くの学校を全国金賞に導く。
その実績が高く評価され、90年に福岡工業大学附属城東高等学校へ迎えられ、同校を全国大会金賞に導く。2007に鹿児島情報高等学校へ。14年に同校を退職し、九州情報大学の教授に就任。
全国大会出場回数は総計30回、うち金賞を14回受賞。通算出場回数や金賞回数もさることながら、着任した多くの学校を全国大会に導いたことなどから、「吹奏楽の神様」と称される。

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「子どもたちの力を伸ばすのに怒る必要はない」
吹奏楽指導歴47年、全国大会出場30回、全国金賞14回受賞、『吹奏楽の神様』とも称される著者の怒らない教え方を初公開!

・先生の情熱が音を作る
・怒るのではなく「悟らせる」
・生徒は神様
・努力は人を裏切らない
・きれいな音は高い技術に勝る