いきなりネイティブに! おどろきの「ストレッチ式発声術」とは?

『「ネイティブ発音」科学的上達法』
藤田 佳信 プロフィール

 ストレッチ式発声法にはまた,英語音声習得の実際的な戦略も含まれています。つまり,ストレッチ式の観点から,英語の母音と子音,あわせて40を超える音(音素)に優先順位をつけ,最優先すべき音から効率よく学習することができるのです。

 従来の学習法のように,個々の音の発音の仕方をなんの脈絡もなく,1つずつバラバラにすべて覚える必要はありません。「英語らしく響く音声」を習得するために,ターゲットをしぼることができるのです。

 わずか3つの基準母音を中心に筋肉トレーニングを行い,発音に関係する筋肉の活動範囲を拡大しさえすれば,それ以外の母音はほとんど,日本語のカタカナ・イメージで発音しても,英語らしく響くのです。

「まずは一日15分,3つの基準母音を習得し,英語仕様の口の筋肉=“口筋”をつくるためのトレーニングから始めましょう(第1章参照)。」

 私はときどき,「どうすれば(英語の)聴きとりができるようになりますか?」と訊かれることがあります。質問者はたいていの場合,〈聴く〉と〈話す〉は別のことだと考えているようです。〈聴く〉ことはできるけれど,〈話す〉のは苦手だ,という人も少なからずいるのではないでしょうか。

 そんなとき,もちろん聴きとりのコツとか方法のお話はします。そのうえで,聴きとるために,〈話す〉ことが大切であることを説明します。呼吸・発声・調音に関連するさまざまな筋肉を十分に働かせ,発音(発声・発話)する練習をすすめます。

 実際,自分自身がつくれない音声は,聴きとることができないからです。

 本書では,まるでネイティブ・スピーカーのように英語らしく響く音声のつくり方について,順を追って詳しく紹介します。何よりもまず,いきなりネイティブと同じ英語音声を出す方法があることをお話ししたいと思います。初めから英語らしい声を出さないのなら,いったいいつになったら英語らしく聞こえる音声を出すのでしょうか?

 ストレッチ式トレーニングで口筋を “英語仕様” につくり変えて,最初のハードルを越えましょう。そして,活力ある英語音声を楽しむ世界に飛び込んでいってください!

※美声でうまく歌う,あるいは美声で話すための,上手な声帯の使い方,内喉頭筋調節の仕方,喉頭蓋開閉の調節法,あるいは調音操作法などは,本書のテーマとは別個のものです。本書では,内喉頭筋が正常に働き,声門閉鎖・声帯振動が十分に行われている一般的な情況を前提に,英語音声の実践的なつくり方を学び,英語によるコミュニケーション力を増強させることを目的にしています。

著者 藤田佳信(ふじた・よしのぶ) 
一九五〇年、京都市生まれ。京都府立医科大学准教授(英語英米文学、文芸創作論)。一九八〇年代より、ヨーロッパ構造主義言語学に刺激され、英語の話しことばについて研究。音声学・音韻論の英語学習への応用をテーマに、科学的側面からネイティブの口筋肉の動きを分析し、独自の「ストレッチ式発声法」を開発。著書に『司馬遼太郎とその時代』(上・下、延吉実名義、青弓社)など多数。共訳書に「ロシア紀行」(『スタインベック全集』第14巻所収、大阪教育図書、日本翻訳出版文化賞)。その他、雑誌・新聞にエッセイや長期連載など多数寄稿。
『 「ネイティブ発音」科学的上達法 』
おどろきのストレッチ式発声術

藤田佳信=著

発行年月日: 2014/09/20
ページ数: 256
シリーズ通巻番号: B1882

定価:本体  980円(税別)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)