「老後の生活費はだんだん減る」は嘘だった! 「老後難民」時代を乗り切るための「逆算の資産準備」とは?

『日本人の4割​が老後準備資金0円』第1章より

所得-投資=消費

「節約」の代わりに、「資産形成の優先順位を上げる」ことを考えてはどうでしょう。すなわち、お金を使う前に強制的に投資(貯蓄)に回してしまうのです。

ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、お給料から天引きして運用に回してしまえば、消費に使わないで済みます。

勤労者3万人アンケートでは、老後の資産形成のために「資産運用をしている」のはわずか7.7%、または「計画的な貯蓄をしている」と答えている人も13.8%にとどまりました。人間は楽なほうに流れてしまいがちです。行動経済学では、人間は先々のリスクを過小評価することで目先の利益に飛びついてしまうものだと指摘していますが、「老後の生活のリスクはまさしく先々のリスク」で、その存在はわかっているが「まあ何とかなるかも」とか、「今の生活のほうが大切なんだ」といった言葉で、そのリスクを後回しにしてしまっているのではないでしょうか。

そこで、そうした人間の感情が入り込まないように給与天引きで、ある種、強制的に投資(貯蓄)を始めるのです。

一般に経済学では、所得から消費を引いたものが貯蓄と認識されています。すなわち「所得-消費=貯蓄」です。それを、消費よりも投資(貯蓄)の優先順位を上げることで、「所得-投資(貯蓄)=消費」と位置付けてみてはどうでしょう。もちろん無理な金額を投資に回すわけにはいきませんが、その月の生活によって投資に回せる金額が大きく減ったり、なくなってしまったりするのでは、なかなか目標を達成できません。ここは「感情」を抑えて、「勘定」を優先させることにしませんか。

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野尻哲史(のじり・さとし)
一橋大学卒業。内外の証券会社調査部を経て、現在、フィデリティ投信株式会社にてフィデリティ退職・投資教育研究所所長を務める。10年以上にわたって個人投資家の資産運用に対するアドバイスを続けており、最近はアンケート調査から個人投資家の投資動向を分析した意見を多く発表している。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、証券経済学会・生活経済学会・日本FP学会・行動経済学会会員。著書には『株式市場の「死」と「再生」』(経済法令研究会)、『投資力』(日経BP社)、『退職金は何もしないと消えていく』『なぜ女性は老後資金を準備できないか』『老後難民 50代夫婦の生き残り術』(以上、講談社+α新書)などがある。

著者:野尻哲史
日本人の4割が老後準備資金0円 老後難民にならない「逆算の資産準備」
(講談社、税込み 907円)

95歳まで生きる可能性が高い現代日本において、いかにこの状況に立ち向かうか。著者が辿り着いた結論は、年代別「逆算の資産準備」という方法です。団塊の世代が75歳に達する頃にも経済的独立を果たして、確かに生き抜くために今、自分自身にできる「対策」を具体的に示します。

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