マッキー牧元のおいしいトレンド「住宅街のすし屋」

Image---〔PHOTO〕gettyimages

都心からの客も多い戸越銀座のすし屋

東京ですし屋というと、銀座や西麻布を思い浮かべる人が多い。

確かにこの両地区のすし屋の数は群を抜いている。しかし値段も高い。つまみをつまんで、握りを食べて・・・となると、銀座の平均価格は3万円、西麻布は2万円から2万5千円というところが現在の相場だろう。普段使いとしては高価な飲食店になってしまう。

なんとか2万円以内、できれば1万5千円以内に収めたい。そう考えるなら、このエリアをはずして出かけるしかない。たとえば品川エリアには、数は少ないが、お値打の価格ですしを食べられる名店がいくつかある。

そのひとつが、戸越銀座にある『なかのや』だ。戸越銀座駅から徒歩十数分の住宅街にある、決して便利のいい場所のすし屋ではないが、去年オープンしたにもかかわらず、多くの客が都心から訪ねている。

『なかのや』のすし職人は、店主である金城毅さんひとり。金城さんは武蔵小山にある『寿司いずみ』で修業されたそうだ。『寿司いずみ』は、すし通のあいだではよく知られたすし屋で、名物店主の巧みな会話や、通称“痛風皿”とよばれる各種の魚の卵や肝の塩辛やみそ漬けを多く用意していること、直接手渡しされる握りの多彩さで有名になった店だ。その独創的な職人仕事は、一志治夫著『失われゆく鮨をもとめて』(新潮社刊 2006年)という本にもまとめられているのでご存じかもしれない。金城さんは、そのご主人の薫陶を受け、長く『寿司いずみ』で寿司を握り、去年独立したのだ。

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