データ時代におけるメディア成功の方程式とは? 米スタートアップスタジオ「Betaworks」パートナーが語る

佐藤 慶一 プロフィール

「新しいユーザーに出会うためにデータを活用する」

これまで120社以上の育成や創業を手がけてきたベータワークスは、「ブランドを買って、コミュニティに投資する」という姿勢をとっている。講演のなかでもサービスの紹介があったので、いくつか取り上げたい。

まずは、マクローリン氏がCEOを務める前述のディグ。2004年に立ち上がったソーシャルニュースサイトだ。開始から数年は順調だったものの、2010年代に入って、Reddit(レディット)やツイッターなどにユーザーをとられることになり、勢いがおとろえた。その後、2012年にベータワークスが買収し、再建。現在では編集者も入っているという。

月間800~1500万ユーザー、1.7億PV、ダイレクト流入が7割、ニュースレター購読者は150万人にのぼる。サービスの仕組みは、1日に600万もの情報ソース(各メディアやブログ)をクロールし、2000万本の記事を分析して厳選。また、運営メンバーは、グーグルやタンブラー、ニューヨーク・タイムズ、ハフィントンポスト出身者が名を連ねている。

アメリカならではのサービスとしては「GIPHY(ギフィー)」というGIF画像まとめサイトがある。月間1300万UU、6000万PV、1500億ものGIF画像がサイト上にアップされている。そのほか、興味深かったのは、パーソナライズ天気情報アプリの「PONCHO(ポンチョ)」。花粉が多い日にはマスクのクーポンが表示されるなど、天候に応じて広告が変わる仕組みや見せ方、生活への組み込み方がユニークだと感じた。

ベータワークスを卒業した企業もある。パブリッシャー向けのリアルタイムデータ解析サービスのチャートビートなどはそのひとつだ。トラフィックの解析サービスはいくつもあるものの、リアルタイムに特化しつつもデザインが洗練されているサービスがほとんどないため、競合との差別化につながっているのだという。

最後に、講演のなかで、マクローリン氏は「新しいユーザーに出会うためにデータを活用する」と言っていた。データの時代だからこそ、活用目的やリーチしたいコミュニティを考え抜くことで、新しい時代に適したメディアが生まれていくのだろうと感じた。

編集部からのお知らせ!