マッキー牧元のおいしいトレンド「洋食は世界を捉えられるか?!」

入谷『レストラン香味屋』のメンチカツ(『香味屋』のwebサイトより

洋食はれっきとした日本料理

明治時代に西洋料理が輸入され、憧れとしてもてはやされた。それが日本独特の受容文化に吸収され、街場のレストランで「洋食」というご飯に合う料理に変化した。

ポークカツレツ(とんかつ)、カキフライ、オムライス、メンチカツ、チキンライス、ポークチャップ、ハンバーグ、蟹コロッケ、ビーフカツ、ナポリタン、海老フライ、ハヤシライス、マカロニグラタン・・・。西洋的でありながら、これはれっきとした日本料理である。

東京では、上野『精養軒』明治5年、銀座『煉瓦亭』明治28年、銀座『資生堂パーラー』明治35年、日比谷『松本楼』明治36年、御徒町『ぽん多本家』明治38年、淡路町『松栄亭』明治40年、人形町『小春軒』明治45年、本所吾妻橋『レストラン吾妻』大正2年、入谷『香味屋』大正14年、日本橋『たいめいけん』昭和6年、浅草『リスボン』昭和7年、人形町『芳味亭』昭和8年、浅草『グリルグランド』昭和16年、銀座『銀座スイス』昭和22年、浅草『ヨシカミ』昭和26年、といった老舗格の洋食店が今でも健在だ。

老舗のなかには、神楽坂『田原屋』のようにすでに閉店した店もあるが、ほとんどが代を引き継ぎ、変わらぬ姿と味で営業している。

なかでも、銀座『資生堂パーラー』、御徒町『ぽん多本家』、人形町『小春軒』、入谷『香味屋』などは、古き良き手間暇をかけた高級洋食を、今なお矜持をかけて作っており、東京が世界に誇っていい財産ともいえよう。

一方、新しくできる洋食屋は極端に少ない。ここ20年間で創業し人気を得たのは、私の知る限り上野広小路の『厳選洋食さくらい』しかない。

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