「学校も投資対象」と見る東南アジアの超富裕層---日本には世界レベルのインターが圧倒的に少ない!

岡村 聡 プロフィール

常にアジアでの新規進出先を探す企業

前回、娘の通うインターは郊外に300億円ほど投じられた新しいキャンパスだと紹介しました。このキャンパス用の土地は、グローバル都市として国際的な教育環境を整備することが必須であると考えているシンガポール政府から払い下げたものです。

この土地には、現地・海外企業も含めて数十社のビッドがあったようですが、差し入れ額と学校のコンセプトが評価されて今の運営会社が選ばれました。このビッドを勝ち抜き、巨額の設備投資をおこなう上で、資金調達面での不安がないことは大きな差別化要素となったことでしょう。

このインターは新設校にもかかわらず人気となっており、昨年は1学年6クラスでしたが、今年は8クラスでスタートしました。多数の応募があるため、学期末にはさらに1クラス増やして9クラスにすることを検討しているようです。

新たに学校を設立するときには、マーケティング部隊が市場分析を綿密におこない、カリキュラムの内容や適した教師のプロファイル、必要な設備、学費レベルまで、マーケット、つまりは親のニーズを踏まえてカスタマイズするらしいのです。娘のインターでは今のところ、このようなメソッドが奏功しているといえるでしょう。

こうしたグローバルに学校運営をおこなっている会社が最も注目しているマーケットがアジアです。欧米に本社を置きながらシンガポールにCEOがいて、アジア展開を指揮している会社も多いという話を聞きました。娘のインターとは別の学校運営会社にも話を聞きましたが、常にアジアでの新規進出先を探していました。

私たちのシンガポール法人では、これまで日本人富裕層のシンガポールや香港への移住をアドバイスしてきましたが、最近では現地の不動産会社との関係が深くなったこともあり、アジアの投資家から日本の不動産取得について相談をされることが増えてきました。

シンガポールでは10億円を出しても中心部の超高級コンドミニアムであれば200平方メートルくらいの3ベッドルームしか買えないのに、日本では港区でも一棟アパートが購入できるといった恐るべきことを口にしながら、次々に一棟モノを購入しています。

そして、こうした東南アジアの超富裕層投資家のかなりの割合が学校も投資対象として見ているのです。先日もタイ、カンボジア、ミャンマーに学校を所有しているシンガポールの投資家を紹介されたので、上記の新規進出に積極的な学校運営会社に紹介したところ、さっそく担当者が現地に飛んで特に気に入ったミャンマーの学校を買収すべく、翌月には交渉に入っていました。